オトナの食育 
所感編 第103回(通巻143回)2018/4/10号掲載 千葉悦子(高28)

1 mL計量スプーンで減塩の実践はいかが?

     
       

 新年度が始まりました。ご自分の食生活にも新しいことを取り入れませんか?

 日本の食生活で一番の課題と言えるであろう「減塩」に取り組むために、従来の計量スプーン(小さじ5 mL、大さじ15 mL)よりずっと小さい、1 mLの計量スプーンを使う提案です。
 
 100円均一店では、15、5、2.5、1 mLの4本セットが100円+消費税で並ぶことがありますが、さびやすいのが難点です。材質の良い物を探したら、東急ハンズでステンレス製1本261円+税の物を見つけました。特定の店名や商品名は、なるべく挙げたくないのですが、読者が見つけにくいと意味がないので、今回はご容赦ください。1年間、主に塩を量るのに使ってみて、100円均一の物よりさびにくかったです。
    
 ステンレスはstainless、つまり「さびない」という意味ですが、実際には「さびにくい」だけで、絶対にさびないわけではありません。さびを防ぐには、調味料等を量ったら、洗って拭くなどして乾かしておくことが大事です。

 世帯の人数が減ってきた現在、1回に作る料理の量も少ないことが多く、計量スプーンも小さい物が便利と思います。ただし、0.1 mLでは小さ過ぎて、一般的な大きさや形のスポンジではスプーンの内側が洗いにくいです。それで、1本だけ購入するなら1 mLが良いです。
 
 カレーをはじめ、「○○の素」ではなく香辛料から料理を作る際にも、こういう小さい計量スプーンがあると便利です。香辛料を上手に使うと、無理なく減塩できるので、そういう意味でもお勧めです。
    
 なお、精製塩は小さじ5 mL約6 gですから、1 mLで1.2 g程度です。日本人の食事摂取基準(2015年版)において、成人の1日当たりの食塩摂取量の目標量は、男性8 g、女性7 g未満なので、女性の場合、1食当たり食塩2 mL未満です。ただし、この数字は加工食品中の食塩も含めるので、料理に使える食塩は非常に少ないです。計量スプーンを小さい容量の物にする方が良いと、ご理解いただけたことでしょう。


 家庭科は、理解するだけでなく、実践することが大事です。単価がそれほど高くない新しいグッズをきっかけとして、気持ちを新たに、減塩を実践してはいかがでしょう?

 
        計量スプーンの写真説明 :
         上から順に・・・
        一番大きいのが5 mL 、真ん中が1 mL 、一番小さいのが0.1 mL



■主な参考文献等
池田彩子・鈴木恵美子・脊山洋右・野口忠・藤原葉子編
   「新スタンダード栄養・食物シリーズ9 基礎栄養学」東京化学同人(2015)
「広辞苑 第7版」p.1573 「ステンレス」の部分 岩波書店(2018)
東急ハンズネットストア カンダ 極厚計量スプーン 052301 1cc
https://hands.net/goods/4949362722679/


「オトナの食育 所感編61回2014310日号」 
  「さば缶のスパイシーカレー~防災食になる缶詰をおいしく料理~」
http://www.nirako-dosokai.org/melmaga/shokuiku/shokan61.html

「オトナの食育 所感編88回20161110日号」 
  「カレーこそ減塩! 減塩商品を応援しましょう」
http://www.nirako-dosokai.org/melmaga/shokuiku/shokan88.html


    
     
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