都市対抗野球優勝監督

 JR東日本監督 堀井哲也さん(高32)

 11月1日に行われた第82回都市対抗野球決勝で、見事NTT東日本
 11回延長の末破り、名実ともにアマチュア野球界頂点に立たれた
 JR東日本(東京都)堀井監督にお話を伺いました。


小川昌宏氏撮影

富士重工業
(太田市 1-0)、ヤマハ(浜松市 5-2)、準々決勝 三菱重工広島(広島市 4-0)、 準決勝 兄弟対決JR東日本東北(仙台 6-3)、そして堀井さんが選手、マネージャーを務めた三菱自動車川崎時代の監督垣野多鶴氏率いるNTT東日本(東京都 )との師弟対決を 2×-1と制しての
初優勝
本当におめでとうございます


たくさんの皆様の応援本当にありがとうございます。

東日本大震災に配慮し、2つの大会が中止となり、都市対抗野球も8月から10月に延期され、
会場も東京ドームから大阪京セラドームへと変更になりました。
そのような特別な年に優勝できた要因は何だと思われますか?


被災地を中心にまだまだ、震災の影響が大きく残る中で、
82回を迎える都市対抗が開催される意義 をチーム一同考えて参りました。

私なりに出した答えは、「チーム一丸となったひたむきプレーで、
応援して頂く皆様にお応えする 」事でした。

激戦の東京都予選3試合と、京セラドームのハイレベルな決勝までの5試合に至るまで、
全ての場面で 、一球無二の精神で戦った結果だと思います。

スポーツチャンネルで応援させて頂きましたが、本当にすばらしい対戦でした。
TVに映る堀井監督のお顔は、とても凛々しくまさに勝負師という感じでしたが、
監督
としてのご苦労される点、また楽 しさはどんなところですか?


我がチームは、コーチやトレーナー等チームスタッフ7名と選手29名の所帯です。
まずメンバー一人一人が公私共充実した日々を送り成長し、
その結果ゲーム100%発揮出来 る事。
次にメンバー間が互い信頼しあいチーム力を最高に高めていける組織である事。
以上に心を砕いています。
監督としての苦労も喜びも全て上記の心を砕く過程と、また結果の中にあります。

西武にドラフト一位指名された十亀投手や縞田内野手、川端外野手の三選手がスカウトされるなど、高いレベルのチームとは言え、ベスト16以降4日連続で戦わなければならないわけですから、強いだけでは優勝はできませんね。
ヤマハ戦で負傷し、ベンチでバックアップした斉藤主将の力もあったかもしれませんね。

今回の優勝をはじめ準優勝2回と監督としてはすばらしい結果を出されていますが、
選手生活は決して恵まれてはいなかったようにも思うのですが、、

韮高でレギュラーかどうかの選手が、六大学ホームランを打ち、都市対抗タイムリーヒットを 打ったわけですから、選手としての自分には今でも満足しています。
まあ、他の社会人チームの監督さん方の現役時代の実績は、私とは比較にならないくらいもの凄いも のがありますから、指導者として人二倍三倍努力しなければとは心がけてます。
そして1年勝負社会人で選手・指導者として28年間ユニフォームを着させて頂いてますので、大変 有り難く「感謝」の気持ちでいっぱいです。


慶応大学時代に六大学で打ったホームランは、日本製紙石巻木村泰雄監督(高32)の所属していた立教大学からだそうですね。都市対抗で、代打タイムリーを打って日本生命戦の試合を決めたことは、垣野監督もよく覚えているとTVで紹介されてました。
恵まれていないなんて大変失礼いたしました。堀井監督の代の韮高野球部は、17人と当時としては珍しく人数が多かった年でしたね。そのいわば不完全燃焼が慶応大学でも野球続けようと思われた理由ですか?

単に野球が好きで、全力を尽くして野球をやりたかっただけです。 レギュラーになれるとは、正直思いませんでした。 とにかく、グランドには誰よりも長くいて、練習中は一番声を出し、移動は全て全力疾走。これを徹底しました。 そしたら、野球が(特に打撃)少しずつうまくなり、神がかり的にチャンスをことごとくものにしてったのです。 丁度、今回の優勝のように。


堀井監督の生きる姿勢みたいなものが伝わってきました。
韮高の入学式が終わってすぐに「今から部活に出ていいですか?」と訊いたエピソードもお聞きしましたよ


そんな生徒だったかもしれません。野球に限らず、高校・大学と学生時代好きならば続ける事は 出来ますから。

逆に言うと、社会人野球はそれだけ厳しいということですね。
最後に同窓生へのメッセージをお願い致します。

私の原点韮山高校です。尊敬する恩師と刺激を受ける仲間に恵まれ、最高の環境で学んだ3年間 、そして卒業してからの同窓生との絆は私の一生財産です。
これからも韮山高校のご発展と同窓生のご活躍を心からお祈り申し上げます。

お忙しい中、本当にありがとうございました。堀井さんの方こそ同窓生誇りです。JR東日本の合宿に参加させて頂いた韮高野球部の選手たちも、今回の優勝をとても喜んでいました。ぜひ続いて欲しいですね。
では、今後もますますご活躍下さい。

その韮高野球部、11月12日(土)台湾選抜チームと親善試合を行うそうです。
 VS 穀保家商 試合開始 10:::00〜 @裾野球場
東部、中部、西部のベスト4が台湾の強豪校と対戦するそうです。
修学旅行明けとは言え、せっかくの機会なので、全力を尽くして欲しいですね。


   2006年12月10日号      2010年8月10日号       龍城のWA!