オトナの食育 
調理器具編 第3回(通巻170回)2020/12/10号掲載 千葉悦子(高28)

使いやすく耐久性の良いターナー



 


 本年も12月となりました。年末年始は家族が集まる機会が多いけれど、新型コロナ.の問題から外食しにくいので、自宅で少しでも調理しやすくして、後片付けを楽にしながら、おいしい料理を用意したいと思います。

 その一助として、シリコンヘッドのターナーがお勧めです。私が数年間使っても悪くならず、使いやすいのは、Zylissのイージー リフトターナーです。何年も前の購入時にあれこれ見て、耐熱温度が当時は一番高く、240℃なので選びました。日本企業の製品ではないのが残念ですが、これでなくても、同様の特徴を持つターナーであれば良いだろうと考えます。

 たとえばルーから作る(写真1)シチューやグラタンの場合、バターの温度がかなり高くなるので、耐熱温度が高くて余裕のあるものが安心です。また、風呂吹き大根等のみそだれ作りも、砂糖が入るので高温になりますし、焦げないように鍋底にしっかり当たり、かつ、鍋に傷がつかず、食材の色や匂いが付かないターナーとなると、高温に耐えるシリコン製が良いと思います。
                    写真1



ターナーを使う料理

バルサミコ酢を使うソースの材料分量
  (これより少ないと、非常に作りにくい。
   この分量の場合、直径14㎝以下の鍋を使うのがお勧め)


     ・バルサミコ酢 大さじ1(小さじ3
     ・醤油     小さじ1
     ・みりん    小さじ1と1/2

 上記調味料を鍋に入れ、火にかけて、細かい泡が少し出てきたら、すぐにコンロから降ろしてください。余熱で飴になってしまうからです。鍋の熱容量が大きくて加熱し過ぎになるのが心配な場合、泡が出ない内に火を止めてください。

 なお、ターナーを鍋底に当たるように動かすと、写真2のように、しばらく鍋底が見えるほど、このターナーは鍋底にしっかり当たります。
                                写真2

 これは、いわさあやかさんの「グリル秋野菜のバルサミコサラダ」を基にしました。基のレシピは、約4人分として、バルサミコ大さじ3、しょうゆ大さじ1、はちみつ大さじ2を小鍋に入れ、少しトロっとするまで煮詰める、ということです。これもおいしいですが、はちみつがそれほど好きでない場合や、切らしているときは、はちみつをみりんに変えてはどうか?と思いつきました。作ってみると、私の好みの味でした。

 基の分量は作りやすいですが、食べるには多いので、上記の分量にしました。それでも余る場合は、小さな容器に移して冷蔵保存し、野菜炒め等にも使えます。スクレイパーを用いなくても、このターナーですと、かなりきれいに移せて、ロスが少なく、後片付けも比較的楽です。

 オーブンで焼いた野菜に、このソースをかけると、減塩でありながら普段と異なる風味を楽しめることでしょう。バルサミコ酢は、100 g中の食塩相当量は0.1 gなので、この量なら非常に少ないです。

 この他、イチジクのごまソース掛けに用いる、ごまソースを作る際にも、このターナーが役立ちました。(写真3 
                      写真3
 
 心温まる年末年始を過ごせますように。



■引用文献等

いわさあやか「グリル秋野菜のバルサミコサラダ」「Botapii 12月号」(植物)と暮らしを豊かに)(フリーペーパー)

■主な参考文献等

『七訂 食品成分表2020』女子栄養大学出版部(2020

オトナの食育 所感編76回(通巻113回)20159月号
       「イチジクのごまソース掛け」
http://www.nirako-dosokai.org/melmaga/shokuiku/s76/shokan76.html

オトナの食育 所感編第89回(通巻127回)201612月号
「手間をかけずに失敗しない料理…オーブンの活用」
http://www.nirako-dosokai.org/melmaga/shokuiku/s89/shokan89.html





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