オトナの食育
所感編 第76回(通巻113回)2015/9/10号掲載 千葉悦子(高28)
「イチジクのごまソース掛け」
数年前の夏に、神戸の従姉が久しぶりに上京し、築地にある田村でお昼を頂きました。和食の料理がいろいろ出された最後の、イチジクのごまソース掛けは、私にとって初めてで、おいしかったです。その取り合わせに感動し、似た料理を作ろうと、毎年この時期になると試行錯誤を重ねました。手に入りやすい材料で、手をかけ過ぎない、自分としては納得できるレシピが出来ましたので、今月はそれについてです。 私の子どもの頃の実家にいちじくの木があり、有難味がなかったので、イチジクのイメージは、あまり良いものではありませんでした。実の割れた部分にアリが付き、普段は料理をしない父が、おしゃれでない感じのするアルマイトの大鍋で、いちじくジャムを煮ました。私は「イチジクジャムより、イチゴジャムの方が好き」と思いましたが、両親に遠慮して黙って食べたものです。しかし、近年、機能性が言われて健康イメージが強くなり、バナナやよくある種類のリンゴに比べて高価で、デパ地下ではイチジクを使ったおしゃれなサラダもあり、また、大人になって嗜好が変わって、見直しました。 食品成分表で調べると、イチジクにカリウムや食物繊維が比較的多いのは確かです。嫌いでなければ、この季節限定の果物ですから、召し上がってはいかがでしょう?生のままでは食べにくい人には、特におすすめのレシピです。 |
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イチジクのごまソース掛け 材料分量(2人分) 作り方 4.いちじくを器に盛り、ソースをかける。出来上がり。
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「料亭風」を求める場合のレシピ NHK「みんなのきょうの料理」に載る「簡単!とろけるイチジクとゴマだれ料亭風」は、白みそや薄口しょうゆを使うのですが、私は薄口しょうゆを除いて試作しました。白みその塩味やおいしさが効いて、ネーミングの「料亭風」がピッタリ来ました。しかし、重過ぎる感じもするせいか、夫と長女は「料理らしくおいしいけれど、比較すると白みそなしの方が食べやすい」と申しました。 白みその種類により塩分が異なるので、こしらえる場合は、味を見ながら白みそが多くなり過ぎないようにするのがコツと考えます。 もしも、つきぢ田村のご主人が、このレシピをご覧になったとしたら、 |
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■参考文献等 香川芳子監修 女子栄養大学出版部「食品成分表」(2011) |