食の安全性、言い換えると食のリスクについては、灰色のグラデーションで考える必要があります。

今年9月に、総菜のO157が原因と言われる3歳児死亡の事件がありました。しかも、生ものでなく、炒め物などを食べたということです。特に、幼児をはじめとする体の弱い人には、O157等の腸管出血性大腸菌への対処として中心温度75℃1分間以上の再加熱といったひと手間が、生命にかかわるほど重要です。ただし、ノロウイルスの対処には、さらに高温にしましょう。

　『直虎』で、「城なんてない方が良い」という主旨の「かしら」のセリフがあり、発想の転換の必要に気付かされましたが、今さら「出来合いの総菜なんて、なければ良い」というわけにもいきません。時代に合わせた、食生活上の対処方法を考えて実行しましょう。


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家庭科教師に関する冊子のお知らせ

　　ところで、私が24年以上所属する「家庭科の授業を創る会」では、今夏「9つのライフヒストリーにみる　家庭科教師のくらしとキャリア」（非売品）という冊子を作成し、私のライフヒストリー（「食の安全」について学んだ経緯も含む）も載っています。それを書くために、自分のこれまでを何年もかけて思い出し、文章にしました。さらに、会員9名のライフヒストリーの共通点や相違点を探しつつ、家庭科教師としての成長について考えました。それで、人の一生、特に「女性の一生」について関心が高かったのです。『直虎』と時代は違っても、現代人が作るもののせいか、共感する台詞や場面が多々ありました。

　その上、私は静岡県三島市出身で、同県の教員を4年間勤めたことがあり、県の中西部とはいえ、懐かしい駿府とか気賀等の地名も多く、また、思いもよらぬ話の展開やよく練られた演出で、『直虎』は私の心をとらえたというわけです。

　上記冊子は自費出版で、冊数に限りがあります。本年12月16日開催の日本家庭科教育学会関東地区会例会で、研究助成を受けたことから、研究の報告を他のメンバーが行い、この冊子もお配りします。冊子やこの研究にご関心がある方は、例会にご参加をお願いします。いらっしゃれないけれど、冊子をお読みになりたい方は、私にご連絡ください。この連載を気にしてくださる方々の中で、家庭科の先生はごく少数でしょうから、残部に限りがありますが、お分けできそうです。どうぞよろしくお願い申し上げます。


■引用文献等
　NHK大河ドラマ『おんな城主　直虎』8月20日放送第33回「嫌われ政次の一生」http://www.nhk.or.jp/naotora/story/story33/

■主な参考文献等
　内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】
　　[生活の中の食品安全−加熱してもなぜ食中毒が起こるのでしょうか？−(食品安全委員会委員 石井 克枝)  その1]平成29年8月18日 配信
　
　日本経済新聞2017年9月13日夕刊「O157感染 3歳女児死亡　総菜店食中毒　前橋の店で購入」

　朝日新聞2017年9月13日夕刊「総菜食べた3歳死亡　前橋 O157感染発生の店」

　日本経済新聞2017年9月14日朝刊「死亡女児 加熱食品を購入　トング介し被害拡大か　前橋O157感染」「手洗いで二次感染防ぐ　ドアノブからも伝染の恐れ」

　朝日新聞2017年9月14日朝刊「O157感染 サラダ以外も　3歳死亡　別工場から納入」「トングで感染拡大か」「11都県と同型の菌」

　日本経済新聞2017年9月15日朝刊「トング・皿 消毒不十分か　前橋O157感染期限切れの薬剤も」

　朝日新聞2017年9月15日朝刊「O157 二次汚染の可能性　保健所指摘　用具の管理不十分」
　　　　　「群馬県、立ち入り検査へ」「トング原因 慎重な見解も」　「食品店 交換や使い分け徹底」

　朝日新聞2017年9月16日朝刊「O157遺伝子同型　11都県で87人に」

　朝日新聞2017年9月20日朝刊「O157ピーク時の2割に減少　11都県の遺伝子型含むタイプ」

　ピカコレ！−pikacore−おんなのこがピカピカ輝くためのサイト
　「政次の辞世の句の意味を考える　【おんな城主直虎】　　https://pikacore.com/entertainment/masatsugu-loveletter/

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