オトナの食育
所感編 第81回(通巻119回)2016/3/10号掲載 千葉悦子(高28)
健康食品の宣伝は、毎日がエイプリルフール?
近頃、読んだ本で一番のお薦めは、畝山智香子著<「健康食品」のことがよくわかる本>です。その本で、自身のことばではなく引用として<「ボハノン博士は「栄養に関しては、毎日がエイプリルフールである」と述べています。>と紹介しています。日本でのここ数十年間、私としては、いわゆる健康食品の宣伝について、毎日がエイプリルフールに近いと感じます。それゆえ、「オトナの食育」を書き続けていると言ってもいいほどです。なお、「いわゆる」という言葉が付くのは、健康食品の定義とか範囲が難しいからで、食品安全員会も使うほどです。 FOOCOM.NETの森田満紀氏によると、「健康増進法による勧告は、今回が初めて」ということです。これを機に、健康食品を扱う会社の方々は、より襟を正して頂きたいと期待します 健康食品に関連する心配な点は多々あるなかで、一番の問題は「医療を受けるべき人が、そのタイミングを逃すこと」と思います。私がこのところ参加した説明会やシンポジウムや、拝読したものなどを総合して考えました。たとえば、私の友人のご主人が「最近、目の調子が良くないので、ブルーベリーの健康食品でも食べようかな。」と話したと耳にしたことがあります。そもそも、健康食品の多くが「健康な成人」を対象にしていて、健康増進のために食べる物であって、薬ではないのです。それで、食品安全委員会の冊子<いわゆる「健康食品」について>に、次の部分があります。 :::::::::::::::::::::::::::::::: (前略)高齢者、子ども、妊婦、病気の人が「健康食品」を摂ることには注意が必要です。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::: お金をかけなくても、上記の資料は読めますから、健康食品を使っていたり、使おうかなと考えている方々は、これをお読みになることをお勧めします。 さらに、もっと深く知りたい方は、畝山氏の冒頭の本がお薦めです。これらをお読みになると、健康食品はエビデンスがないか弱かったり、かえって健康被害がでる場合があったりすると、わかるでしょう。なお、健康食品は玉石混交ですから、もしも、ご自分がかかっているお医者様に特定の健康食品を勧められるような場合があれば、素直に耳を傾けるべきと思います。 つまるところ、バランスの良い食事が基本です。そういうわけなので、「オトナの食育」で、たまには料理の紹介もしたいと存じます。バックナンバーにも具体的な料理がありますので、ご活用ください。 ■主な参考文献等 食品安全委員会ホームページ <「健康食品」に関する情報> http://www.caa.go.jp/foods/index4.html#m06
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