オトナの食育 

所感編 第160回(通巻219回)2026/1/10号掲載 千葉悦子(高28)

脳腸相関を踏まえ、和食の食材とビフィズス菌入りヨーグルト等も召し上がれ




 新年おめでとございます。

 先月、講演2種を聴き、今月のタイトルの重要性を感じました。腸と脳とはつながっていて、腸の調子が良いと全身に良い影響があります。

 正月料理にちなんで、和食の食材の例を挙げます。黒豆等の豆、里芋や八つ頭等のいも、昆布巻き等の海藻、大根・人参・牛蒡・椎茸等の野菜は、どれも食物繊維が豊富で、ヒトに良い影響を与える腸内細菌のエサになります。昔のレシピのお節料理や、多くの市販の総菜は食塩分が多い欠点があるものの、食材自体は大事にしたいです。

 和食のもう一つの欠点は、乳製品を使わず、カルシウムが不足しがちなことです。その点では牛乳が助けになりますが、小田巻俊孝氏の「腸内細菌叢研究から考える健康で幸せな生活への貢献」を拝聴し、ビフィズス菌の入ったヨーグルトも取り入れたいと思いました。

 ヨーグルトは乳に乳酸菌を加えて発酵させたもので、必ずしもビフィズス菌が入っているとは限らないため、表示を確かめて選ぶ必要があります。腸内で乳酸菌は乳酸を作るけれど、酢酸は作らず、ビフィズス菌は乳酸も殺菌作用の強い酢酸も両方産生します。

 なお、食物繊維は腸で小さい物質になり、それをビフィズス菌が利用するので、ビフィズス菌入りヨーグルトだけではなく、食物繊維豊富な食品も摂取する必要があります。

 ビフィズス菌のないヨーグルトも健康に寄与しますが、残念ながら、高齢者は腸内のビフィズス菌が減少するので、ビフィズス菌も用いられるヨーグルトがお勧めです。近年、ヒトにすむビフィズス菌が作り出す種々の機能性成分(体に良い成分)が解明されつつあります。

 また、子どもを健やかに育てる際にも、腸内環境を整えることが大事で、それにはまず、母親の腸内環境や食習慣が重要です。とはいえ、家族一緒の食事が想定されますから、女性や子どもだけがより良い食習慣に向けて努力をするのではなく、老若男女皆が良い食習慣を実現できると理想と思います。
さらに、社会全体で子どもと母親を支える仕組みも整えたいものです。

 タイトルにある結論は言い古されたことでしょうが、その根拠の一端を今回、書きました。一番寒い時期、その後の花粉の時期に向けて、読者の皆様に少しでも役立つならば、たいへんうれしく存じます。

 

■主な参考文献等

村田容常編  『食品貯蔵学 第2版』東京化学同人(2025

村田容常・渋井達郎編  『食品微生物学』東京化学同人(2015

食の安全と安心を科学する会(SFSS)食のリスクコミュニケーション・フォーラム2025
  『市民のリスクリテラシ-向上につながるリスコミとは』
  第4回テーマ:『腸内細菌による健康リスク低減』(10/19)開催速報
     https://nposfss.com/news/riscom2025_04/
  『腸内細菌叢研究から考える健康で幸せな生活への貢献』
  小田巻 俊孝
  (森永乳業株式会社 研究本部 基礎研究所 腸内フローラ研究室・室長)レジュメ

日本学術会議シンポジウム
  「子育てと子どもの育ちを支援する社会を実現するための課題について考える
      -子どもがまんなかの社会の実現に向けて-」
  明和 政子(日本学術会議第一部会員/京都大学大学院教育学研究科教授)
 
 「子どもが育つ、親も育つ-『親子セット』で育ちを支える社会の実現を目指して
  日本学術会議HP https://www.scj.go.jp/ja/event/2025/393-s-1214.html

 


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