オトナの食育
所感編 第158回(通巻216回)2025/10/10号掲載 千葉悦子(高28)
鶏肉のうまみを逃さず、やわらかくする方法
食品の値上がりを日々感じますが、たんぱく質も十分とりたいもの。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高齢者ではタンパク質・アミノ酸(ロイシン)の必要量が若年者よりも高いとされている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 血中コレステロールが上がらないように魚でタンパク質をとるのが理想とは言え、魚種によっては肉より魚の方が高価ですし、肉も食べたいでしょう。 肉の中では、鶏肉が比較的安価なので、鶏肉をおいしく食べる工夫は役立ちます。なお、鶏肉100g当りのロイシンの量は牛や豚に比べて遜色ないです。 パルシステム東京機関紙の「こじまぽん助」氏の連載は、理にかなった方法を提案なさるので感心します。9月号は「肉はやわらか、うまみもたっぷり ガリバタチキン」です。この料理の下準備として、鶏もも肉300gを一口大に切り、塩一つまみ・こしょう適量・砂糖小さじ1・酒大さじ1を加えて混ぜ、片栗粉を加えて再び混ぜます。砂糖は親水性があり、肉の水分と結びつくので、肉が固くならず、また、うま味も逃しません。なお、片栗粉をまぶす方法は、よく知られていることでしょう。 そこで、私は、鶏もも肉の照り焼きに応用したところ、以前よりやわらかく感じました。鶏もも肉300 gを一口大に切ってから、上白糖小さじ1を混ぜ、片栗粉をまぶし、油を引いたフライパンで両面焼き、醤油・赤酒(みりん)・砂糖控えめを混ぜてから肉にかけて蓋をして蒸し煮にしました。 また、鶏肉のカレーでも試したところ、この程度の砂糖の量では、私にとっては問題ない味となりました。砂糖の取り過ぎは体に良くないですが、今回の量は少ないですし、たんぱく質の不足の方が問題です。甘いお菓子等は控えるとして、身近な調味料や片栗粉等を上手に使い、食べやすくおいしい料理の工夫をしてはいかがでしょう? ■引用文献 板倉弘重・近藤和雄 『分子栄養学 ―科学的根拠に基づく食理学― 』 東京化学同人(2019) ■主な参考文献 『八訂食品成分表2021』女子栄養大学出版部
|