オトナの食育 

所感編 第147回(通巻201回)2024/1/1号掲載 千葉悦子(高28)

のどに詰まりにくい「赤飯」の工夫


 

 元日の大地震や、2日に起きた羽田での大事故などで、新年の晴れがましい挨拶がためらわれます。災害に遭われた方々には、日常を早く取り戻せるよう祈ります。

 私個人としては、新年に通巻201回を迎えられて、書き続ける程度には元気で過ごせたこと、また、支えてくださった編集者らに感謝しております。
それで、今月は「のどに詰まりにくいお赤飯の工夫」についてです。


 赤飯は、広辞苑によると、もち米を蒸しますが、自動炊飯器等で炊く方法もあります。炊飯器の種類によるでしょうが、私が使う現在と、その前の機種の場合、もち米2カップとうるち米1カップを用います。この方法でも、十分に赤飯として美味と感じます。

 しかし、幼児や高齢者の場合、のどに詰まる恐れがあります。辛い話で申し訳ないですが、正月に餅を詰まらせる高齢者が多いというニュースが毎年あります。また、「少しずつ落ち着いて食べること。よく噛むのよ」といった注意が、よく理解できない幼児の場合も心配です。

 とはいえ、「誕生日といったお祝いにはお赤飯」という文化も大切にしたいので、もち米ではなく、うるち米のコシヒカリ等で小豆ご飯を作ったことがあります。その場合、高齢でない成人には、もの足りない感じがするのは否めません。

 そこで、うるち米の中では粘りがある品種で試したところ、かなり満足できました。最近、用いたのは「淡雪こまち」という品種で、白飯で炊いた際も、私の家族に好評でした。もち米よりは割安で、白飯としても食べられて経済的です。しかも、赤飯コースより短時間で炊けますし、赤飯コースのない炊飯器でも炊けます。なお、残念なことに、「淡雪こまち」はあまり販売されていないので、粘りの強い「ミルキークイーン」や「ゆめぴりか」を使うのも良いでしょう。

 ところで、小豆をはじめ、豆は無機質やビタミンといった栄養が豊富で、食物繊維も摂れますから、食生活に取り入れたいものです。甘い煮豆やお菓子ばかりでは砂糖の摂り過ぎが心配なので、砂糖を用いない赤飯を忘れないようにしたいものです。

 小豆には、ポリフェノールが含まれ(他の食品にも含まれる)、ポリフェノールは抗酸化作用があり、また、血圧を低下させます。特に高齢者にはうれしい食材なので、上記のような工夫をしながら、食生活に小豆も取り入れてはいかがでしょう。

参考文献
久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学 食品成分と機能性 第2』東京化学同人(2021


■■オトナの食育 全メニューへ