オトナの食育 

所感編 第146回(通巻200回)2023/12/10号掲載 千葉悦子(高28)

いもイコール炭水化物」と捉えないで


 

 学生の小レポートや、地下鉄内で聞こえた会話の「炭水化物じゃん」に、違和感があります。まるで、「ご飯やいもイコール炭水化物」と捉えていると感じるからです。中学校の家庭科教科書では食品群を6つに分け、その一つの群が「穀類・いも類・砂糖」で、主な成分が炭水化物であると覚えるのは必要ではあります。しかし、穀類やいも類には、他の成分も含まれることを忘れてはなりません。白米のご飯であっても、たんぱく質も含まれますし、いもは、ビタミンCや食物繊維も含まれる旨が教科書に載っています。1番主な成分だけではなく、次に重要な成分にも注意を向けたいものです。

 このように理解すれば、ご飯やパンの主食に、いもまで加えたら太るから食べるのをやめようと思わずに済むでしょう。太る要因としてまず対策しなくてはならないのは、脂質です。いもは水分が多いので、100 g当りで比べるとご飯よりエネルギーが低く、さらに、ご飯より菓子や菓子パンの方がたいがい高エネルギーです。

 なお、10月号に書きましたように、獣鳥肉の脂質の摂り過ぎには特に注意したいものです。主な成分がたんぱく質である「魚・肉・卵・豆・豆製品」の群も同様というわけです。

 今どきの生徒・学生は学ぶべきことが多くて、気の毒ですが、中高家庭科教科書に載る栄養情報は、きちんと捉えられると理想と思います。さらに、学校教育から遠く離れた年代も、宣伝のための偏った情報ではなく、基礎的で健康に大きく寄与する栄養情報を意識的に取り入れるのをお勧めします。

 

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