オトナの食育 
所感編 第125回(通巻171回)2021/1/10号掲載 千葉悦子(高28)

新型コロナ渦中でより明確になったこと・・・緑茶の例

 

 新年おめでとうございます。

 今年度、私が担当する家庭科概説(食物)という科目は、調理実習も含めて遠隔授業です。対面式の試験が出来ないことから、レポートにしっかり記述するよう促しました。その上、学生やそのご家族の在宅時間が長くなり、家庭での様子がよく書かれるようになりました。

 それで明らかになったことの一つが、緑茶を茶葉からいれる学生が少なくなり、かつ、いれるにしても湯の温度を気にしたことがない人が多数という現実です。日本の1世帯当たりのリーフ茶消費量や、緑茶の支出額が年々減り、時折、関連する新聞記事等も見かけますので、私が担当する学生に限る傾向ではないでしょう。

 苦みや渋味だけではない、緑茶のほんのりした甘さやうまみも感じてこそ、緑茶の良さが分かるはずですが、いれ方の要点が伝わっていません。調理方法の一種と考える「いれ方」が悪くては、緑茶の良さが分からず、飲む習慣がなくなるという悪循環です。しかも、売れないと茶の生産者や、いれ方も教えてくださる専門店も減って行くでしょう。

 新型コロナ.の影響で、誰もが、種々の物について、ある程度は国内で賄えることの重要性が身に染みたはずです。砂糖などを加えなくてもおいしくて、微量栄養素も含む健康的な緑茶をはじめ、国産が可能な飲食物を見直して、大切にして行きませんか?

 

■主な参考文献等

・農林水産省「茶をめぐる情勢」(平成285月)https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/pdf/cha_meguji_h2805.pdf

・総務省統計局 家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)「二人以上の世帯_支出金額[]
http://www.stat.go.jp/data/kakei/longtime/index.html#time

 


 


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