オトナの食育 
所感編 第124回(通巻169回)2020/11/10号掲載 千葉悦子(高28)

ゲノム編集に関する読み物のお知らせ

 


2020年ノーベル化学賞はゲノム編集の研究者に贈られました。それで、今月はゲノム編集に関して、少しずつ読める資料のご紹介です。

 実は、ノーベル賞発表前に先月号の原稿を書いたので間に合いませんでした。いきなりゲノム編集や遺伝子組換えについて知ろうとすると、危険性を強調する情報ばかり入手しがちで「不安」に陥るかもしれませんから、従来の品種改良の例を先に採り上げたのは、順序が良かったと思います。

 私が10年以上入会している消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」H.P.に、「ゲノム編集を巡る情報」という連載が始まり、116日時点では次の3回までが掲載されました。

第1回 天然毒素を少なくしたジャガイモ
第2回 高GABAトマト
第3回 高オレイン酸ダイズ

 これらをお読みになるとゲノム編集技術を使うことにより、従来の品種改良の方法では不可能だった利点の多い品種を生み出せると分かります。

 ところで、114NHK BSプレミアム「英雄たちの選択 世直し大明神がゆく! 江川英龍(千葉注:韮山代官)」を途中からですが視聴しました。その中で話題となりましたように、新技術が出てくると世の在り方、制度等も対応して行かざるを得ないです。いつまでも変革を好まず、新技術に関して知ろうとせず、「食料は昔ながらが良いに決まっている」とするだけでは、世界から置いてきぼりになり、ジリ貧でしょう。

 医療目的であっても、ヒトへのゲノム編集の利用は安全面や倫理面からも慎重に行うべきですが、農産物への応用は別と考えませんか?言葉の持つイメージだけで判断せず、「切り離して考えるべきものは切り離す」ことも、地球の気候危機や人口増といった難題を解決して行くには必要と考えます。

 もっとゲノム編集に関して知りたい方は、農研機構の「バイオステーション」というH.P.がお勧めです。

 また、新型コロナウイルスの影響で、講演会がネット上で開催されることが多く、地方にいらしても聴くチャンスがあります。たとえば「食のコミュニケーション円卓会議」の会員ではなくても、参加費は必要ですが聴くことは可能です。

 また、私も会員になっているNPO食の安全と安心を科学する会(SFSS)が本年6月に開催した
 <食のリスクコミュニケーション・フォーラム2020 
    第1回:『 ゲノム編集食品~新たな育種技術のリスコミ~ 』(6/28)活動報告>

     http://www.nposfss.com/cat1/risc_2020_01.html


は、どなたでも見られます。ただし、講演を聴かずにスライドだけですと、分かりにくいでしょうが・・・

 こういった資料の活用をしてみませんか?

■引用文献等

食のコミュニケーション円卓会議H.P. 「ゲノム編集を巡る情報」

http://food-entaku.org/genomu1.html


■主な参考文献等

農研機構 https://bio-sta.jp/faq/
  バイオステーション ゲノム編集とは Q&A形式でわかりやすく紹介します

NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS) http://www.nposfss.com/cat1/risc_2020_01.html
  食のリスクコミュニケーション・フォーラム2020
  第1回:『 ゲノム編集食品~新たな育種技術のリスコミ~ 』(6/28)活動報告


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