写真A
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オトナの食育 

所感編 第137回(通巻190回)2022/12/10号掲載 千葉悦子(高28)

2023年4月から遺伝子組換えに関する任意表示制度改正
「食品表示の最近の話題」Zoomオンライン学習会のご案内

 

 12月となり、来年度が近くなりました。遺伝子組換えに関する任意表示制度が改正され、来年4月から実施となります。

現在は移行期間ですが、改版が進みつつあります。たとえば、写真上部のように、以前に使っていた醤油と同じタイプの表示が、(写真A) 原材料名:大豆(アメリカ)(遺伝子組換えでない)から、 (写真B) 原材料名:大豆(アメリカ)(分別生産流通管理済み)と変わりました。
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              
                                                              

任意表示とは、義務表示(書かなくてはならない)に対する言葉で、書いても書かなくてもよい表示です。しょうゆや油などは、遺伝子もそれから作られるたんぱく質も含まず、原料が遺伝子組換えか否か判別不能なため、遺伝子組換えの作物を使ったとしても、その旨を書く必要がありません。とは言え、消費者の多くは遺伝子組換えについて学校等で学ばない世代で、「よく分からない比較的新しい物は不安」に感じがちなせいか、不使用の旨をアピールする商品が多々ありました。

しかし、十分安全性が確かめられているからこそ使われる技術にもかかわらず、不使用表示を見た消費者が「使わない方が良いのだろう」と誤認するという問題がありました。また、組換え作物も、非組み換え作物も同じベルトコンベアー等で運ばれるので、切り替え時に清掃をしても、少し混ざります。そこで、意図せざる混入が5%以下の場合は、従来、「遺伝子組換えでない」旨の任意表示を認めていました。しかし、「…でない」と書きながら、5%までは混入する場合があると知り「騙された」と感じる人が少なくなかったです。

 つまり、遺伝子組換えに好意的な人も、反対派や懐疑的な人も、不満の残る表示制度でした。その他、食品添加物の不使用表示も問題となり、食品表示全般に関して種々の検討がされてきて、遺伝子組換えに関しては今回の制度となりました。

 納豆や豆腐も大豆を使い、最近は「分別生産流通管理済み」と表示されるようになりました。皆様も、原材料表示の部分を気になさってはいかがでしょう?

 

「食品表示の最近の話題」Zoomオンライン学習会のご案内

 私が長年会員である「食のコミュニケーション円卓会議」で、食品表示に関してオンライン学習会をします。会員以外も、今回は無料で参加できますので、参加をご検討ください。同窓生にも食品を扱う仕事をなさる人がいらっしゃるでしょうが、遠くに出かけなくても参加できるチャンスです。

 参加方法は、近い内に「食のコミュニケーション円卓会議」H.P.の「問い合わせ」からお願い申し上げます。分かりにくい場合は、私にご連絡ください。



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  第140回 (12月) オンライン学習会 食品表示の最近の話題

  日 時:12月20日 () 19:00~20:30
  テーマ:食品表示の最近の話題
  講 師:フード・オフィス・天明 代表 天明 英之 氏
      (食品表示アドバイザー 上級食品表示診断士)
  内容

  1.加工食品の原料原産地表示の拡大(202241日完全施行)
  2.遺伝子組み換え表示の厳格化(202341日施行)
  3.ゲノム編集技術応用食品の表示について
  4.食品添加物の不使用表示ガイドラインについて
  5.アレルギー表示 くるみの義務化
  6.あさりの原産地表示の厳格化
  7.しいたけの原産地表示の考え方の変更

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■主な参考文献等

消費者庁H.P. 
   パンフレット『知っておきたい食品の表示』p.143.遺伝子組換え食品の表示」


知っておきたい食品の表示令和4年1月版 (caa.go.jp)


食のコミュニケーション円卓会議H.P.

【オンライン学習 食品表示】第140回(12月) 食品表示の最近の話題 | 食のコミュニケーション円卓会議 (food-entaku.org)

 

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