(写真1)
仮住まい生活が2か月余りたち、オリンピック開会式で初めて、ベランダから国立競技場が見えると気付きました。(写真1)富士山を見るのが楽しみで、何度も景色を眺めたのですが、まさか競技場も見えるとは思わなかったのです。「思い込み」が強いと、見ても気が付かない例です。
ところで、夏と言えばスイカやメロン等の季節で、せっかく重い物をお店から運びながら、外側を大量に捨てるのは、何とかならないか?と思いました。上手に使えば、食品ロスの削減になるし、果物のカリウムをはじめとする栄養素や食物繊維もとれます。それで、十分おいしい、ぬか漬け以外のアイディアを紹介します。
スイカの皮の胡麻和え (写真2)

スイカの外側の濃い緑色の部分は、非常に硬いので廃棄します。白い部分と、あまり甘くない赤い部分とを使います。薄く切り、重さの1%弱の食塩で塩もみします。余分な水分は捨て、練りごまと汁の素(だしとしょうゆなら本格的)を適量混ぜ、味を調えます。
十年以上前に知ったレシピで、私のオリジナルではありませんが、どの資料か忘れて記せない事をご容赦ください。似たレシピが、クックパットにもあります。
メロンの皮の白味噌煮 (写真3)
メロンの外側の、デコボコした硬い部分は除き、拍子木等、食べやすい大きさに切ります。昆布だし少量で煮て柔らかくし、メロンの重さの20%程度の白みそを加え、焦がさないように攪拌しながら加熱します。
日本料理の煮物は、たいがい砂糖やみりんを加えますが、メロンや白みその甘さで十分と感じます。このあたりは各自の好みで調節なさってください。
冷やしても美味なので、他の料理より先に作り、冷蔵庫で冷やしてもよいです。
衛生や安全に関する注意点等
上記のスイカ料理は生のまま使うので、食べる前にスイカの中身(通常食べる赤や黄色の部分)を取り出しておくという、先を見越した使い方がお勧めです。そう出来ない場合は、スープの具にするといった加熱料理がお勧めです。
私は、若き頃、きゅうりの加熱料理(きゅうりとイカの中国風炒め物と記憶)を初めて知り、驚きました。というのは、実家のきゅうりの料理は、生食しかなかったからです。思い込みに縛られてはいけない、いろいろな調理方法の可能性があると分かりました。
スイカの外側は、「甘味のないウリ」と捉えれば、いろいろな料理に使えるというわけです。そう考える内に、頂き物のメロンの外側の硬い部分も加熱すればおいしく食べられそうと気付き、今回の白味噌煮を考えつきました。白みそは名前の通り白いので、メロンの色が生かされて涼しげです。
白みそではない、白っぽい信州みそを使う場合は、食塩分が高いので、みそは半量以下にし、味見をして、必要ならみりんを加えて調節してください。
どちらの料理も、箸休め的な、少量食べるものと思います。特に少人数家庭の場合、果物として食べた後の皮の部分を全部使おうとせず、適量使うのがお勧めです。
言わずもがなでしょうが、メロンのデコボコした部分は、とても硬いし、汚れも取りにくいので、捨ててください。噛みにくかったり、おいしくなかったり、不衛生になったりでは、料理として受け入れられないでしょう。
なお、ウリ科の作物には、ククルビタシンという苦み物質が含まれ、たまにその濃度が高くて、とても苦い場合があります。そういうのは廃棄しましょう。衛生や安全に気を付けて無理ない範囲で、嗜好に合わせながら、食品を有効利用できると理想と考えます。
■主な参考文献等
食品安全委員会HP 食品安全総合情報システム 食品安全関係情報詳細
オーストリア保健・食品安全局(AGES)、「なぜヒョウタンは食べられないのか?」を公表 2011年10月21日
食品安全関係情報詳細
(fsc.go.jp)
食品安全委員会HP <「健康食品」について安全な選択をするために(19のメッセージ)>p.9
kai20160630ik1_020.pdf
食品安全委員会 (2021)
その1 いわゆる「健康食品」について 安全な選択をするために ~19のメッセージ~ 食品としての安全性について - YouTube
久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学―食品成分と機能性―』東京化学同人(2016)
|