オトナの食育
資料編 第25回(通巻153回)2019/5/10号掲載 千葉悦子(高28)
お茶の水女子大学附属中学校研究紀要の私の文章のお知らせ
自主研究「くらしと文化」の生活グループのテーマと指導の工夫
自主研究は、一般的な学校の「総合的な学習」の時間に相当しますが、40年以上の歴史を持ち、自由研究とはかなり異なるものです。理科の分野に限らず、生徒一人一人がテーマを設定し、年間通して追求し、分野別に分かれた授業中に教員等から指導・助言があり、発表の機会も持ちます。このように、私や私の子どもたちが公立中学校で夏休みの宿題として行った自由研究とは全く違います。 私の中学時代の「植物に必要な栄養素が不足するとどうなるか?」といった自由研究は、何の指導もないことから、無知によるひどい物でした。全校生徒の前で「努力賞」の賞状を頂きましたが、高校で理科を学ぶと、その研究方法の不備に気付き、恥ずかしく、かつ、悔しく思ったものです。指導や助言なく課される夏休みの理科の宿題について、怒りを伴う強い疑問を抱きました。 45年以上昔である当時は、生徒が先生に疑問を言えるような雰囲気ではなく、黙っていましたが、附属中で勤務して自主研究に出会い、そのやり方に感銘を受け、できるだけのことはしたいと14年間担当しました。詳細は、紀要の抜き刷りをお読みください。自主研究についてより広範に知りたい方には、昨年出版の<自分の“好き”を探求しよう! お茶の水女子大学附属中学校「自主研究」のすすめ>をお勧めします。 教員も分からないことを生徒が研究するのですから、楽しく、かつ、学ぶ必要に迫られる日々でした。多方面にアンテナを高くしましたから、この「オトナの食育」のネタにできそうなことがいろいろあります。 ところで、最近、この附属中学校の名前がメディアに載ることが多いですが、大手新聞も含めて「附」の字が「付」になっていることがほとんどです。学校の名前さえ、1字1字は確かめずに報道するのだと、つくづく思います。些末なことで、いちいち反論しない美風がお茶大にあるのかもしれませんし、些末なことへの反論からさらにバッシングを受けるのを避けているのかも知れないと推察します。とにかく、メディアの報道は間違いもあるということを忘れずに、食情報等を受け止めたいですね。 千葉悦子.(2019).自主研究「くらしと文化」の生活グループのテーマと指導の工夫: |