産学連携活動紹介書籍を韮高図書室に寄贈しました

                              岸田伸幸(高35)


 私は現在、早稲田大学ビジネススクール(職業専門職大学院)で、吉川智教研究室のイノベーション研究活動を研究生としてサポートしています。韮高同窓会を通じて寄贈したのは、今般、早大TLOを通じ若干部を入手した、『未来社会を創る研究者たち:飛躍する「早稲田大学」の研究活動日経BP企画 大学取材班著、日経BP企画(2007/10)刊 です。この本では、最近、何かと注目されることが多い大学発ベンチャーや、産学連携活動について、24名の研究者の取り組みを紹介しています。24名の中には、残念ながら未だ韮高OBOGはいませんが、こうした分野に目を向け、活躍する優秀な後輩が(別に早大とは限りませんが)将来、出てくることを期待しています。


 2001年5月の大学発ベンチャー起業1千社計画(所謂、平沼プラン)以来、私学官学問わず、全国の大学で学内の知的資産の企業化が熱心に取り組まれ、今年初には1,600社を超えています。しかし、こうした活動が世間からどう見られているのか、周辺関係者としては、多少気になっていました。産学連携や学内ベンチャーは、何より企業や地域社会とのつながりを促進する大学の取り組みの一環であること、また、起業や特許化という形以外の取り組み方があることや、こうした活動に関しては文系・理系の垣根が、相当低くなりつつある現状も、韮高の生徒や先生方に知って頂きたく思います。

 吉川研究室は、文科省SCOEプロジェクトである先端科学・健康医療融合研究機構(ASMeW)のイノベーションセンターの一翼を担っていますが、このASMeWは、医学部を持たない早大が、学外医療機関と連携して研究開発を進める機関です。その一環として、静岡県立がんセンター付属研究所ファルマバレーセンターでも、早大との複数の産学連携プロジェクトが進行しています。地域の皆さんのご理解を得つつ、こうした活動が優れた成果に繋がるよう、一層盛り立て行きたいと思います。