編集を終えて
                                    鈴木功

 何年前かはっきりしないが、韮高同窓会函南支部総会の場で、ふとしたことから、水泳部部歌を兄(中33卒)から教わったことを友人に話した。そのことが、学校側の来賓として出席されていた野中先生の耳に入り、今の生徒に聞かせたいので、ぜひテープに録音して欲しいと言われた。しかし、私は声に自信かないので、楽譜にすれば今の生徒は難なく歌えるだろうと思い、採譜を考えるようになった。
 今の韮高では新人生に、応援歌指導部員が放課後、校歌・寮歌・競技部応援歌1、2(単に応援歌と称し)を1週間程指導する。それ故在校生と最近の卒業生は上記4曲しか知らない。
 韮高百年の資料編の愛唱歌の部に、12編の歌詩(野球部部歌1は、第1第2筋3と分かれている)が掲載されているが、柔道部部歌以外は楽譜となり掲載できた。柔道部部歌を幻の歌で無くするため、ご存じの方は是非お教えください。
 沢山の歌があるのに歌い継がれなければ、いつかは忘れ去られるだろうと思う。 楽譜で残しておけば心得のある者は歌えるし、指導も出来ると考え、採譜に踏み切った。皆様のご協力のお陰で多くの愛唱歌が集まり、それらを採譜することができた。
 特に、監修と全曲の編曲、コードネームを付け、勝利の歌の作曲をして下さった飯田正紀氏、歌集全体の編集デザインを担当して下さった水口満氏(元二科会会員、フランスル・サロン会員、フランス芸術家協会会員、天城湯ケ島町三本松公園・伊豆の踊り子の碑をテザイン)同氏、及び歌集のオーディオ化に当たって演奏・録音を担当して下さった坂内秀郎氏には深甚の感謝をしている。
 歌集には、替え歌が6編ある。本歌の著作者の遺族の方の了解を得るために関係団体を通じて捜して頂いたが、残念ながら今までのところ不明なものが多かった。今後も努力するつもりだが、ご遺族の消息をご存じの方があったらお伝え願いたい。
 また、この歌集は本歌を汚すことのないよう配慮した真面目な企画なので、ご遺族の方々には是非この意図をご了解願いたい。替え歌の楽譜は遠慮して、やや小さめにし、オーディオ化への収録は控えた。全曲、できるだけ正確に採譜したつもりたが、ここは違うと思われる箇所があったらお知らせください。検討の上、より正しい歌集にしたい。
 この歌集を作っていて、作詩者や作曲者が、いかに一字一句、一音一音を大切にし、難しい字や歌いやすい音を的確に用いているかが分かり、その学と芸の深さに感服した。なお、楽譜の中の歌詞は、歌いやすさを考えて、現仮名づかいにした。
 最後に、ご協力下さった方々に厚く御礼申し上げます。