韮高愛唱歌集誕生を喜ぶ

                        静岡県立韮山高等校同窓会
                          会長  渡辺 文三

 126年の歴史を誇る私たちの学校に、約20曲もの歌があるということを知り驚きました。しかし、これらの歌の大半は正確な記録がなく、卒業生のごく一部の方が知るのみとなっておりました。
 一つには、長い歴史の中に忌まわしい戦争があり、スポーツの交流が途絶えて、応援歌などが歌われる機会がなかったこと。さらに、楽譜で歌うというより、口唱で伝えられてきたことも一因でしょう。
 函南町に在住される鈴木功氏(中41回卒)は、これらの歌を記録に残し、現役にも卒業生にも歌ってもらおうと数年前より計画されました。そして、同期や先輩などを訪ね、テープレコーダーの前で歌って頂き、それを採譜するという根気のいる作業を続けました。鈴木氏の熱意が実を結び、多くの歌が譜面として復活しました。
 さらに音楽理論の見地から、作曲家の飯田正紀氏(中51回卒・神戸女学院大学名誉教授・芦屋市在住)に監修と編曲の協力を仰ぎ、新たに作曲もして頂きました。
 デザインは水口満氏(中50回卒・東京在住)が担当し、他校にも誇れるような立派な歌集に仕上がりました。また曲集のCD化を願い、飯田氏のほか坂内秀郎氏(中51回卒・横浜市在住)に録音演奏をして頂きました。
 全国に活躍する卒業生が、母校の青春の日々を思い出しながら歌うことのできる愛唱歌集が誕生したことは、まことに喜ばしい限りです。
 鈴木氏の録音、採諸、取材にあたりご協力頂いた方々、そして発行についてご尽力頂いた森野彌良氏(26代校長)に、この場をかりて厚く御礼申し上げます。
                           (平成11年8月)