輪が 自由勝手旅の醍醐味

第20回 
☆初めての南インドへの自由旅・そして真の醍醐味に出会う☆2000 January

2008/4/10号掲載
栗原 一  
  (高2回卒)


首都デリーから南西に250`ジャィプール市に、前藩王の私邸がありそこに住むロイヤルファミリィの4人です。グレイの絹のガウンの人物が前マハラジャです。隣のブルーサリーを着用している方が前藩王妃マハラニです。ラフにマフラを巻いている方が次女で私邸のマネジャー役でお忙しい。一番お世話になりました。博物館の鍵もこの方の管理です。マハラジャの後ろにいる方は孫娘で秘書役・渉外役を兼務。原語に強いと聞きました。世が世なら同じソファに並んで座るなんてトンデモナイ!
















































      








 太陽と水と風と緑と花と果物と象と牛とロバと猿とリスと小鳥たちと・・・・そしてこの宇宙を創った神々と暮す南インドの人達。 
 「栗原さんご夫妻はきんきらきんの場所へ行くのは嫌いでしょう?」
私達にこの国の素晴らしさを教えてくれた最初のインド人チャンドラモハン・カプール氏が温厚な眼でデスクの向こう側から話しかけてきました。旅行社の社長から今はインド全域のコーディネイターとして年の半分はインド国内を巡る多忙な紳士です。特に芥川賞作家遠藤周作さんがガンジス河をクリスチャンの眼を通じて描いた「深い河」のインドロケのチーフコーディネイターとして活躍してからは著名人です。
 「でも永旅の途中で息抜きするには面白い場所だと思いますよ」
そして南インドのヴァージンコースのスケジュールを示してくれたのです。ゲートは西インドのムンバイ。空港ホテルに一泊、国内線で一気に南下。
最南のカニャクマリ空港から一ヶ月の旅がスタート。イスラム系のドライヴァが運転するツーリストtaxiで幕が開きました。宗教の違いでモスク以外の遺跡には同行しません。英語は通じるので不便は感じませんでした。

 インドの最南端ですから宗教的にも神聖地コモリン岬の夕陽を見に行った時、笑顔の良い青年に話しかけられました。
「一日里親になってもらえませんか?」
最初の出会いでした。Suzukiの軽バンで案内されたのは33人の孤児達が収容されているホームでした。責任者のラクシュマナン君は3頭の乳牛を飼い補助金と寄付で子供たちを育てていたのです。彼らと同じミルクを飲み、相応の寄付をさせてもらって次の町トリッチィに向かいました。

 山羊の列に就いてゆくと中学校の野外授業を見つけました。見学に行くと生徒達は全員私達のまわりに集まってしまいました。先生が呼んでもおかまいなし。何事と出てきた校長を含め38人の出会いでした。

 田園風景の道路を走りホテルにチェックイン。フロントでディナーパーティーに誘われ参加をきめて会場に入るとバイキングでインド料理が並んでいました。マトンやチキンを試食、初めての南印料理に好奇心を惹かれている私達に3人の女子学生が一緒になり説明してくれました。
宴の終わる頃母親を連れた女の子が「ママ、明日この日本人を家に招待して」と頼み迎えられることに決定。カヴィータ、ウーシャ、アンビカの三人娘の最初がカヴィータのレジデンス。二階に案内されて驚きました。銀行家のパパ、叔母,従妹達に囲まれて会食です。全部自家製のオリジナル。途中から歓迎のインドダンスでしっかりとショウタイム付きです。「次は私の家よ」とウーシャとウーマ姉妹の自宅へ移動。ここでも歓待されてプレゼントを交換しました。美人のアンビカを加えて3人の女子大生は「結婚式にはTOKYOから来てネ」と指きりで約しました。

 総勢20人を超す出会いでした。
 世界遺産のハンピ遺跡で不敬行為のあったイスラム系のドライヴァは免職になり、此処から従順なラビさんという運転手に迎えられハイダラバド経由で「きんきらきんの場所」RAMOJIフィルムcityに送られたのです。
 インドのハリウッドを目指す「ラモジfilm city」は想像を超える広大な敷地にホテル・スタジオ・宮殿・何でも造ってしまう工場・植物園・学校・今建造中なのがクルーザーは勿論ヨットハーバーを含む人工湖、西部劇用のセットはあの山の向うと支配人の説明でした。
 ハイライトの出会いの主人公は藩王の家督を現マハラジャに譲って引退し、ジャイプルの私邸に住む前藩王のロイヤルファミリィとの会見です。
 今号は真の醍醐味を お送りしました。

 

右端のノッポがリーダーのラクシュマナン君。3頭の乳牛のミルクが命綱。本当の醍醐味をインドチャイにしてくれて一晩の里親に・・・・・


 「貴女たち授業中ですよ!こちらを向きなさい!」 
「だってこの人が一緒に座りたいンだって」
 「校長に叱られても知りませんヨ」 イイモン! 諦めたピンクサリーの教師、
校長を含めて38枚のプリントをプレゼントしました。英文で礼状が届きましたョ


「きんきらきんの場所」とカプール氏が紹介した RAMOJI film city 
のホテルエントランスです。第1ゲートから3`の地点です。ロビーのソファから 
室内装飾から生花まで全部自家製品です。イエ このサリーは自前です


 この3人は女子大のクラスメート 良家の子女はあまり笑ってはハシタナイようです。
でも翌日案内してくれた遺跡には10人以上の友人を呼んであって
此方の品定めをする時は例外でした。
「貴女あんな色の口紅つけられる?ウフウフフ」