輪が 自由勝手旅の醍醐味

第39回 
★パックツアーでは味わえない!旅のハプニング集★ 2010年:新年
2010/1/10号掲載  栗原 一 (高2回卒)




































  

 自由勝手にプランを立ち上げ、愛と信頼と思いやりだけを胸に気の向くまま、アメリカと食欲の減退する中央アフリカを敬遠して、二人だけの旅にしました。でもなんと神はいろんなシーンを見せて下さったことでしょう。ドンでん返しあり、サーカスの一幕見、眼の錯覚心理etc・・・。
スペインのバルセロナの地下鉄に乗ってあのガウディの設計した“グエル公園”に行った時のことです。坂下の駅ではラッシュは過ぎて車内はガラガラ、ホームに降り立つと下車したのは私達カップルの二人だけ。出口へはホームから珍しくエスカレータで昇るようになっていました。動いているステップに向かいますと、左側のベンチに座っていた男の一人が私の前を足早に横切り先になりました。動作の不自然さに振り返ると、若い方の男は私達の視線から逃れるように首をすくめてついてきます。私は低い声でワイフに告げました。「この二人あやしいよ!気をつけて!」長いエスカレータが終わり踊り場だと思ったら出口までもう一本の長いエスカレータが見え・・次の瞬間どんな展開になるか頭の中に火花が散りましたネ!2本目のエスカレータに年長の男が乗った時ワイフが私に叫びました!「ダディ!階段で行くわよ!」私達は二段づつ駆け上がり、出口の詰め所に到着。コンビの二人は追って来ませんでした。改札の係り員に告げると肩をすぼめただけで「オーラ!シィ、セニョール」 何時ものことさ!
 次も舞台はスペインで、グラナダのアルハンブラ宮殿の西側、谷を隔てた見晴らしの良い公園でのハプニングです。イスラム建築の見事さと水処理のマジックを充分味わった後西門から退出。今度はかってユダヤ人が多く住んでいた街で興味もひかれた“アルバイシン地区”から逆に宮殿の全容が見渡せる見晴台の公園に立ち寄りました。エキゾチックな雰囲気を持つ街並みの緩やかな上り坂を散策しながらゆっくりと昇って歩きました。誰もいないしんと静まりかえった家々の小道の前方に男女二人の子供が出てきました。外国の子供は意思表示がユニークで可愛いので声を掛けようとしましたが、彼らは無視したように私達の顔を見ようとしません。何と可愛くない態度と思いそのまま坂道を右に折れ、見晴台へ入りました。そこで暫らく宮殿を眺めそれを背景に二人で写真と思い、シャッターを押してくれそうな人を選んでいますと、観光客とは見えない近所の住人らしい男が煙草を吸いながらゆっくりと近づいて来ました。撮影が終わり礼を言ってそのすぐ後、アっと気が付くとワイフのバッグが消えています!石崖の上部に腰掛けられるように付いている縁石の上に置いたバッグが忽然と行方不明なのです。上から下を見ますと、子供が遊んでいるふりをしていたあの道です。さっきの男だと気付き見直しますとその男は煙草をくゆらしながら悠然と坂道を歩いて行きました。被害はワイフの化粧ポーチとガイドブックの数ページだけでした。ガイドブックは翌日ファックスで送ってもらいましたし、お好みのピンクのルージュもホテルで格安だったとごく軽微でした。ご心配頂いたブランドもののバッグはスタンドの販促品で丸善のマーク入りでしたが、漢字でしたから読めましたかどうかは不明です。





トルコの結婚記念日
自由旅の途中でホテルのスタッフに
 「今日はワイフの誕生日と 自分たちの結婚記念日でシャンパンが欲しい」
 と言いましたら、ホテルからケーキをプレゼントされました。
他のテーブルの人たちも合同参加してくれました。
 W 記念日は ハッピィですね。