オトナの食育 所感編 第7回(通巻36回)2009/4/10号掲載 千葉悦子(高28)

新年度、家族の人数・事情により食生活の細部も見直しを
鍋の大きさ・調味料のサイズも再考しましょう

 


 4月に入り、新年度となりました。
 子どもの人数が増えて成長すると、だんだん食べる量が増えて、おのずと大きい鍋が必要になり、深く考えなくても「18センチでは小さい。22センチの鍋を買おう」などと気付きます。
 ところが、大学入学などで子どもが下宿等して、一緒に暮らす人数が少なくなると、作り過ぎるかもしれません。新婚時代のような分量に戻ることでしょう。
 ダウンサイズのときは特に、調味料も考え直してみてはいかがでしょう?
今回は醤油を取り上げます。というのは、日本人が脂質を抑えるためには、ご飯・みそ汁に、醤油とだしの味付けのおかずを基本とするのが第1と考えるからです。
 醤油の質を再考しましょう。まずは冷蔵庫保管のお勧めです。私自身、知識としてはずっと以前から知っていましたが、実行するようになりましたのは近頃です。醤油の企業にお勤めの方と勉強会で顔を合わすことが増え、
繰り返し「冷蔵庫保存のお勧め」を受けたのがきっかけです。
 冷蔵庫に保管したいものが多いので、次に、醤油のダウンサイズを提案します。普通のスーパーマーケットの特売になるのは、1リットルサイズでしょうが、あえて500mlをお勧めします。理由としては500mlならあまり邪魔にならず、冷蔵庫に入れておきやすいからです。冷蔵庫に入れておけば、風味が変化しにくい上に、あまり劣化しないうちに使い切れます。
 近頃は「つゆの素」も常備する家庭が増えましたし、ドレッシングもよく使うようになりましたから、昔より醤油そのものの出番が減っています。
そういう意味でも、醤油のダウンサイズは考えてみる価値があると思います。
 次に、ワンランク上の醤油を選んでみてはいかがでしょう?1リットルですと200円の差があっても、500mlですと60円くらいしか差がなかったりします。
 ペットボトル飲料を平気で100円以上出して買うくせに、ずいぶん長持ちする醤油1本60円の差を気にするなど、ナンセンスとも考えられます。
 「醤油」と一口に言っても、味に差があることがいくつかの種類を試すと分かります。すごく高価なものになると、私には差がよく分からなくなるのですが、特売になるランクと、その上のランクは差が分かります。つまり、1本60円程度上乗せする価値が十分あると思います。
 しかも、おいしい醤油ですと、うま味が強くて減塩にもつながりそうで、健康的です。しかも、料理がおいしく仕上がると、料理の腕が上がったような錯覚をして、次への意欲につながります。
 ごみの問題については大きいサイズの方が良いでしょうが、冷蔵庫に入れるとなると電力の問題も起きますから、ささやかなこの程度の贅沢は許されるのではないでしょうか?
 今回書きましたのは、ほんの1例です。どうぞ、ご自分の家族の状況をお考えになり、より豊かでより合理的な食生活の工夫をなさってください。

■主な参考文献等
「大人の食育」服部幸應 生活人新書126(2004)
日本経済新聞08年8月1日朝刊
          <調味料、割高でも小容量 無駄にするのはイヤ…適量で「新鮮さ」買う>