オトナの食育 所感編 第32回(通巻63回)2011/7/10号掲載 千葉悦子(高28)
大震災後、今私たちが必要なこと、その2

 

 6月から暑い日が続き、電力不足が心配です。東京で生活していて、例年より冷房が弱く、寒がりの私が上着を着ずに、半袖Tシャツ1枚で大丈夫なほどです。大停電が起きないようにと祈るばかりです。

緑のカーテン
 祈るだけではいけないと、ささやかな緑のカーテンをベランダに作り始めました。ツルのあるインゲンとキュウリです。人気商品なせいか苗を手に入れるのが難しく、仕方ないので種から始めましたが、発芽率は良かったです。
 映画「となりのトトロ」の芽が出るシーンのように、芽が出た朝は、本当にうれしかったです。プランター・植え木鉢・土・緑のカーテン用ネット・種などを購入するより、野菜を買う方が安上がりでしょうが、育てる楽しみや感動を伴って、ほんの少しでも、使用電力を抑制できるなら、意味があると思います。
 子どもが成長すると、夫婦で力を合わせて何かをすることが少なくなりがちですが、土などが重いので、珍しく一緒に買い物に出掛け、「芽が出た!」「間引いた」「ツルが出た」などと会話も出来て、気分転換にもなります。
 なお、集合住宅で上階に住む場合、「ゴーヤやヘチマのように大きな実は、台風や嵐の場合、落ちると危険」という新聞記事を読んだことがあるので、キュウリには十分注意したいと思います。もっとも、その前に、実が上手くなるかどうか、問題ですが・・・。

放射線関係の講演をいくつか聞きました
 7月6日、アイソトープ・放射線研究発表会の一般向け公開講座「放射線から人を守る―福島原発事故の健康影響を正しく理解するために―」を拝聴しました。 次のような講演でした。
(1)環境に放出された放射性物質の測定と飲食物への影響
   村松康行(学習院大)
(2)人体への影響と防御の仕組み
   甲斐倫明(大分県立看護大)
(3)リスクコミュニケーションの立場から
   前野一雄(読売新聞編集委員)
 この他、私が所属する「食のコミュニケーション円卓会議」が行いました講演を複数聞きました。これについては、「食のコミュニケーション円卓会議」のHPに資料があるので、ご覧ください。
http://food-entaku.org/kouza/food-entaku-cafe20110530.pdf
  
もしも上記がすぐに出てこない場合は、「食のコミュニケーション円卓会議」のHP、http://food-entaku.org/ の表紙から「公開講座」をクリックし、
「カフェ・円卓」の中の「資料」をクリックしてください。


4月号の補足
 4月号の中に次のように書きましたが、その根拠となる資料をお知らせします。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 日本経済新聞2011年3月25日朝刊「「生活習慣の方が健康には悪影響」
の記事に、秋葉澄伯・鹿児島大学医学部教授(公衆衛生学)が次のように説明なさっています。
 (前略)この程度なら、放射線よりも喫煙や食生活、運動などの生活習慣の方が健康に大きく影響する。(後略)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 独立行政法人 国立がん研究センター http://www.ncc.go.jp/jp/ のサイトで
「放射性物質と発がんに関する情報」という囲みの中の、
 1.放射性物質と発がんについて、をご覧ください。
  3)「わかりやすい放射線とがんのリスク」(PDF)  
 この資料をご覧ください。これまでのデータでは、放射線年間100mSv(ミリシーベルト)未満の場合、統計上、がんのリスクについて検出不可能ということです。それよりも、野菜不足・高塩分食品・大量飲酒・喫煙・肥満・運動不足などの方が、明確ながんのリスクの高まりを示しています。
 7月6日の一般向け公開講座の中で、印象的でしたのは「50歳以上の人は(作業員とか、原発に近い所に住む人は別として)心配いらない」ということです。
 私のように、そういう年齢で、しかも子どもが大人になったし、まだ孫もいない人は特に、過剰に心配して過剰な対策を取らないこと自体、社会に協力することに繋がると考えます。
 なお、数字は、大まかな目安ととらえてくださいね。
 今回、ずいぶんざっくりしたことしか、書けませんでしたが、ご容赦ください。私は7月8日、アイソトープ・放射線研究発表会で、「食品への照射効果の体験実験―リスクコミュニケーションを目指して―」を口頭発表し、その準備等でこの原稿にじっくり取り組めないでおります。夏バテしないできちんと書けるようにしたいです。皆様もお元気で。