オトナの食育 
所感編 第29回(通巻58回)2011/2/10号掲載 千葉悦子(高28)

野菜をたくさん食べる工夫…レンコンのトマト味炒め煮

 
 受験シーズンです。こどもには、レンコンの穴のように見通しを持って将来を考え、勉学に励んでほしいですが、なかなか難しいです。
 さて、先の見通しができる縁起物で、冬が旬であるレンコン料理の紹介をします。

レンコンは多様な料理に使える
 レンコンは、風味が強くないせいか、和洋中様々な料理に使えます。
「オールフォト食材図鑑」によると「煮物、きんぴら、からしれんこん、酢ばす、テンプラなどに適する。」ということです。この他、ちらしずしにも使うことがありますね。
 私は酢豚の中に、ゆでたレンコンを入れます。玉ねぎ・人参・しいたけ・ピーマンだけでなく、レンコン・カリフラワー・筍なども季節に合わせて酢豚に加えると、その分、野菜をたくさん食べられ、健康的です。
 ネットで「酢豚 レンコン」と調べると、レンコンを薄めに切って、そのまま炒めて酢豚に使う方法が載っていました。私としては、少しでも油を控えたいので、レンコンは下ゆですることをお勧めします。
 「オトナの食育」本編第3回「ギリシア風煮サラダ」にも、少しレンコンが入ります。また、デパ地下のサラダコーナーにも、レンコン入りのサラダが複数見られます。

レンコンのトマト味炒め煮・・・私のオリジナル料理
 ずいぶん以前から、自分で思いついて作っている料理です。我が家は、酢が得意でない人が多いので、酢ばすというわけにいかず、しょうゆ味ばかりではつまらないと思い、トマト味にしてみました。
 公開するにあたりネットで調べると、似た料理が載っていました。♯123「ヤンソンさんの誘惑&れんこんとチキンのガーリックトマト煮」テレビ東京・男子ごはん2010年9月12日放送のレシピ、というのがあります。
ケンタロウ(料理研究家、小林カツ代の息子)の料理のようです。
 また、こうちゃんの簡単レシピ2010年9月14日「鶏皮とレンコンの和風トマト煮」というのもあります。「こうちゃん」は、どうやら、宝島社で料理の本を出しているようです。こういった料理の世界の有名人と似た料理を自分で考え出せたのは、誇りに思うべきかもしれません。
 上記2種は、「ガッツリ食べたい若い男性向き」と思います。確かにおいしそうなレシピですが、他にメイン料理があって、野菜料理を副菜としたい場合には、私のように野菜だけの方が中高年には健康的です。




材料分量…3〜4人分
 ・レンコン  160g
 ・玉ねぎ    50g
 ・にんにく 1/2片
 ・パセリ     5g(なければ、乾燥したバジルやオレガノなどでもよい)
 ・オリーブ油 小さじ2(サラダ油でもよい。)
 ・とまとまと  60cc(大さじ4)
  (パルシステム生活協同組合が販売している、一種のトマトソース、
   砂糖・レモン濃縮果汁・食塩・香辛料入り)
   代わりに、トマトピューレやトマトケチャップなどをお使いください。
 ・白ワイン   15cc(大さじ1)
 ・鶏ガラスープの素 2g(小さじ1) 固形スープの素半分くらいでもよい
 ・水      150cc程度(蒸発量の少ないタイプの鍋なら60cc程度)

作り方
  1.レンコンを水洗いし、皮をむき、薄めに切る。れんこんの断面が大きい場合は、
    繊維に平行に、半分に切って半月切りにする。れんこんにはポリフェノール類が
    含まれ、放置すると褐変するので水に浸ける。水に酢を少し入れると効果が
    高く、加熱したとき紫色になりにくい。
  2.玉ねぎ・にんにく・パセリはそれぞれ、みじん切りにする。
  3.熱してオリーブ油を入れた厚手の鍋に、玉ねぎ・にんにくを入れて、玉ねぎが
    半透明になるまで炒める。
  4.レンコンも入れてざっと炒め、とまとまと・白ワイン・水・鶏ガラスープの素を
    入れて撹拌し、ふたをして煮る。沸騰したらこげないよう、弱火にする。
  5.レンコンが煮えたら、塩・こしょうなどで味を整えながら、煮汁が多いならふたを
    とり、適度に水分を蒸発させる。トマトピューレの場合は、
    好みの香辛料―オレガノ・バジルなど―も入れ、塩味も足す。
  6.仕上げに、みじん切りのパセリを混ぜながら、一煮立ちさせ、盛り付ける。

 緑黄色野菜ではないですが、れんこんにはビタミンCやカリウム(血圧を下げる)などが、たとえばレタスより多く、健康増進にそれなりに寄与します。
料理法・味付けなど工夫して、たまにはお召し上がりください。

引用文献等
「オールフォト食材図鑑」社団法人全国調理師養成施設協会 平成8年

主な参考文献等
「スタンダード栄養・食物シリーズ6 調理学」畑江敬子・香西みどり編 東京化学同人(2003)
「スタンダード栄養・食物シリーズ5 食品学 第2版」―食品成分と機能性―
                        久保田紀久枝・森光康次郎編 東京化学同人(2008)
「新版 調理と理論」山崎清子・島田キミエ・渋川祥子・下村道子著 同文書院 (2003)
「五訂増補 食品成分表2011」香川芳子監修 女子栄養大学出版部(2010)
http://12ch.webpro16.com/2010/09/123.html 男子ごはん
      ♯123「ヤンソンさんの誘惑&れんこんとチキンのガーリックトマト煮」
http://blogs.yahoo.co.jp/boooy2005/61591975.html
      こうちゃんの簡単レシピ2010年9月14日「鶏皮とレンコンの和風トマト煮」