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オトナの食育 基礎編 第9回 
2008/6/10号掲載    千葉悦子(高28)


 野菜を食べるために No.9「野菜などの炒め煮」
 
ひじき・玉ねぎ・ベーコンの洋風炒め煮









 

 


 梅雨です。雨の日、買い物に出かけず、家にある材料で作れそうな、微量栄養素が取れる1品を提案いたします。
 乾物は、料理家がよく指摘なさるように便利です。室温で保管できるので、冷蔵庫の中がいっぱいにならず、省エネです。いかに二酸化炭素の排出を減らすかが世界的な課題の一つですから、乾物を常備し、忘れずに使うことも大事だと思います。
 そこで、今回はひじきを取り上げます。海藻であり、野菜そのものではないですが、無機質・ビタミンなど微量栄養素や食物繊維が豊富で、成分は野菜に近いと思います。
 ひじき5gで、不足しやすい鉄を2.7r、カルシウムを70mg摂れます。
豚もも肉100g中の鉄は0.7rですから、植物性で吸収率が悪いとはいえ、ひじきは魅力があります。その他、高血圧予防のためにも十分とりたいカリウムが220mg摂れます。玉ねぎ100g中のカリウムが150mgであることを考え合わせると、ひじきのすごさが感じられるでしょう。さらに、体内でビタミンA に変わるβカロテンが165μg摂れます。
 ひじきの定番料理は、油揚げを加えるしょうゆと出しの煮物ですね。油揚げ以外に、こんにゃくあるいはしらたき、にんじん、しいたけ等も入れる場合があります。しかし、2〜3回続けて食べると、いくら栄養があると言っても、飽きてきます。
 デパ地下に、ひじきをたぶんゆでて、野菜と一緒にドレッシングで和える「ひじきと野菜のサラダ」も売っています。「ひじきも洋風にしてよいのだ」と思いました。
 そこで、洋風煮物にしてみようとひらめきました。『オトナの食育』07年6月号「グリーンピースのボヌ・ファム」と似た味付けです。ひじきだけでは真っ黒ですから、白っぽくて半透明な玉ねぎも使います。玉ねぎも常温で保存できる、いつでも家にある素材です。加熱すると甘みや旨味が出ます。
さらに赤っぽいベーコンを少し使うので、色に変化がつきます。ただし、「動物性油脂厳禁」とお医者様に明言されている方には不向きですが、ベーコンの旨味により食べやすくなっているようです。高1の息子・大学3年の娘にはうけました。

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 ひじき・玉ねぎ・ベーコンの洋風炒め煮の作り方
【材料】(4人分くらい・・・
       千葉が材料を測りながら作ったのは1回だけですので、数値はあくまで目安です)


 ひじき(乾物)     20g・・・芽ひじきならきる手間がかからない
   (水戻ししたもの 185g)
 たまねぎ       100g(中1/2個)
 ベーコン        30g(1枚半程度)
 グリーンピース    25g・・・彩りであり、なければ入れなくてもOK。
                ピーマン・さやいんげん等、季節の緑色の野菜を使いましょう。
 サラダ油        15cc(大1)
 水            100cc(1/2C)・・・蒸発量の多い鍋の場合はその分を足す
 白ワイン        15cc(大1)・・・なければ入れなくてもOK
 スープの素       1個あるいは小1袋
 塩・こしょう     少々・・・味見をして調整してください

作り方
(1) ひじきはたっぷりの水で30分程度戻す。
  ヒ素を除くため、水をたっぷりにすることが安全のために大事。
  なお、砂やごみも除く。 
(2)厚手の鍋でサラダ油を熱し、1センチ幅に切ったベーコンを炒め、
  1センチ角のたまねぎを焦がさないように少し透き通るくらいまで炒める。
(3)ざるなどで水を切ったひじきを入れて炒める。
(4)水・白ワイン・スープの素を入れ、生のグリーンピースも入れる。
  沸騰したら弱火にしてふたをして10分程度煮る。
  蒸発量の多い鍋の場合、焦がさないように注意する。
  なお、加熱中玉ねぎから水分が出るので、水分は減らないことが多い。
(5)グリーンピースが軟らかくなっていたら、煮汁を蒸発させる。
  味見をして、塩コショウで調整する。

注1.「調理と理論」によるとひじきは戻すと8〜10倍になるそうです。「オールフォト食材図鑑」には「7〜10倍」とあります。水戻ししてある缶詰をお使いになる場合の目安になさってください。
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第9回の終わりに
 6月6日関東地区韮山同窓会に出席いたしました。今回は私と同期の28回生が5名集まり、伊豆地方でよく出会いそうな、温厚で純朴な人柄に久し振りに接し、故郷を懐かしく思いました。
 7つほど年下の男性が、2年くらい前に比べスリムになっていたので驚きました。本人曰く「涙ぐましい努力をしている。朝5時に起きて走っている。10キロやせて、3キロ戻った」ということでした。初孫がいてもおかしくない年齢の私ですが、男性はあまり太っていない方が精悍さを感じ、魅力的に見えると思います。なお、上記男性に『オトナの食育』を読んでくださっているか伺うと「参考にしています。妻にも読ませています。」ということでした。それでは、ますますきちんと書かなくては、と思いました。

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引用文献等
「新版 調理と理論」山崎清子・島田キミエ・渋川祥子・下村道子共著  同文書院(2003)
「オールフォト食材図鑑」荒川信彦・唯是康彦監修 社団法人全国調理師養成施設協会編(1996)

おもな参考文献等
「クッキング・エチュード1 和風の家庭料理」鈴木登紀子著 講談社(1983)
「5訂増補食品成分表2006」女子栄養大学出版部
「イラスト調理BOOK」実教出版