オトナの食育 基礎編 第7回 
2008/4/10号掲載    千葉悦子(高28)


 野菜を食べるために No.7「野菜炒め」その1
 

 


 今年の桜は早かったですね。春休みに三島に行く車窓から楽しめました。
 気温が上昇すると、気分も上向きます。この歳になりましても、春は新しい人と出会え、新しい仕事(必ずしもペイにはつながりませんが)を得られますことは、心楽しいことです。
 三島の実家近くの八百屋さんで買ったねぎが、新鮮でおいしくて、しかも1把60円と東京に比べ格安で、うれしかったです。「ねぎぬたにすれば?」と八百屋さんに言われ、「たしかに!」と思いました。同市内のスーパーマーケットとは違う、きっと地のものに違いない、とれたてのねぎを味わい、
「三島ならスーパーでなく、八百屋さん」と思いました。
 特別新鮮な季節の野菜なら、生やゆでる料理でおいしいです。が、東京の生活や、購入後日数が経った野菜の場合、「炒める」という調理方法も必要です。
 基礎編第1回に書きましたように、野菜は加熱するとかさが減り、たくさん野菜を食べられるという利点があります。とはいえ炒めると油の摂取につながり、心配かもしれませんが、「だから野菜炒めは食べない」と決めて、野菜の摂取量が少なくなるよりは、ときどき野菜炒めを召し上がることにより野菜の摂取量を確保する方が、健康のために良いと考えます。
 火加減は強火がポイントです。小学校家庭科教科書(東京書籍)の<野菜いため>の部分に次の記述があります。
 野菜を弱火でいためると水っぽくなるので、強火で、こがさないように
 手早くいためる。

 この季節なら、「キャベツ炒め」もおいしいですね。味付けは塩コショウで十分でしょう。変化をつけたいときは、オイスターソースを少量加えるのもお勧めです。また、炒め油にごま油やバターを使うと、それぞれの風味がつきます。ただし、バターは焦げやすいので、よく攪拌する必要があります。
 いろいろな野菜をいっぺんに炒めるときは、小学校家庭科の教科書(東京書籍)の「野菜いため」のポイントを思い出しましょう。
 大きな物やかたい物は火が通りにくいので、先にいためる。
この教科書では「にんじんを入れて少しやわらかくなるまで炒めてから、たまねぎ、ピーマン、キャベツを入れて炒める」という順になっています。
 同じ野菜は、同じ大きさに切り揃えることも、焦げずに全体を同時に炒めるのに大事ですね。私は外食の機会は少ないのですが、今年、次女の成人のお祝いで、久しぶりに家族揃って中国料理を食べましたとき、ピーマンや肉が同じ太さにきっちり揃っていて、改めてプロの技を感じました。
理屈としては、あまりに当然ですが、自分で日常食をこしらえるとき心がけると、腕が上がるのではないでしょうか?
 手早くきちんと野菜を切り揃えるには、包丁がよく切れる事も大切です。
自分や家族で研げれば良いのですが、無理な場合は刃物店やデパートの包丁のコーナーで頼んではいかがでしょう?私が包丁を購入した築地のあるお店の場合、自分の店で作った包丁は安価に研いでくださるのですが、他のものはデパートより高価です。メインテナンスも考えると、比較的近くの刃物店で包丁を購入する方が安価かもしれません。
 私の個人的な経験から言うと、包丁はある程度良い、つまり、高価なものを求めるのが理想です。安価なものは、研いでから切れ味が悪くなるまでの期間が短いような気がします。きちっと測定したわけではないのですが・・・。
 幼い子どもにはあまり大きな包丁は薦められません。近頃は子ども用の小さい包丁が出ていますね。また、高齢者の場合、重過ぎる包丁はきついでしょう。1丁の重さは様々ですから、そのことも考えましょう。ただし、元気なうちはある程度の重さのある包丁の方が使いやすいことでしょう。
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引用文献等
「新編 新しい家庭5・6」渋川祥子監修 東京書籍

おもな参考文献等
「小学校5・6年 わたしたちの家庭科」開隆堂
「オールフォト食材図鑑」荒川信彦・唯是康彦監修 社団法人全国調理師養成施設協会編(1996)
スタンダード栄養・食物シリーズ6 調理学」畑江敬子・香西みどり編  東京科学同人(2003)