VOL..2 インドの気候と生活


  マハラジャ大御殿!  炭焼小屋風?
 
最近、日本からメールをもらう時に必ずといっていいほど、まず初めに「インドって暑いの?」と書かれています。「おい、他に聞いてくることは無いんかい?当たり前やんけー?」と、思わず関西弁になってしまうほど、ホントに暑い国です。
特に私が住んでいるチェンナイは、インドでも暑い方なんです。
 ここの夏は(といっても、1年中夏ですが・・・)4月から6月で、5月末が一番暑い時期になります。今年は特に暑かったみたいで、ここ10年で1・2を争うくらいの暑さだったようです。5月末には、最高で46℃位になりましたし、今年の熱波でインド南部では死者が1,000人を超えたようです。
私も2ヶ月で5s痩せました。

 あとは、セキュリティ。
警備会社の人が3人で3交替して24時間門の前でしっかり鍵をかけて見張ってます。ちょっと目を離すとサボってるけど、私が見に行くとマジメに働いているフリをします。これもまたインドっぽくてたまりません。

 ただ少し面倒なのは、毎朝セキュリティに水を上げています。一応人間ですので、花に水をやるのとはちょっと違い、2リットルボトルを3人分、しかもフィルターを通した水を用意します。
さすがのインド人も水をもらう前は「喉が渇いてるよ〜」と訴える目で待っています。


 やはり40℃を超えるとホントにキツイですね。今日は暑くなりそうかどうかは、朝蛇口を開くとわかります。水が既に暑いんです。もう「お湯」です。
こんな時に仕事の現場にいると、まず初めに作業着の襟の部分が熱をもってきます。そのうち頭がボーッとしてきてフラフラになります。
まずいなと感じて水分補給。多い日で一日4リットル位は飲みました。「もうガマンできない!緊急避難!!」とエアコンが効いたオフィスに戻ると、生き返る気分を味わえるのですが、よくよくオフィスの温度計を見たら35℃もあったりします。

 そのような中でも、たまに夕方になって雨が降ったりするので、日中の40℃の暑さでも、気温が一気に10℃位下がります。
その強い風を浴びる気持ちよさといえばこの上ない喜びなのですが、その代償として道路が水浸しになってしまうので、変えるのに45分の道のりが1時間半くらいかかってしまうのです。
 おまけに、こんな日はまず家に帰ると電話が不通になっていますね。
テレビもつかない時が多いですので、この一時間半の道すがら、ただただ「停電だけはカンベン」と祈るのみです。

 それなりの家といっても、毎週何処かが故障してメンテの人間を呼んでいる始末です。シャワーが壊れたり、エアコンが壊れたり、冷蔵庫が壊れたり・・・
我が家のシャワーは何故かC(Cold)という蛇口からはお湯が、H(Hot)から水が出ます。
初めはいい加減なインド人のことですから、こういうことはあまり気にしないものだと思っていたのですが、最近になってそうでないことに気づきました。

 つまり、修理屋というのはカーストでも下の人間なんです。シャワーなんか使った事の無い人間がメンテにくるのです。ですからどうやって直すのか判らなくてセキュリティに教わったりしています、

 同じようなことを会社のトイレで気づいたのですが、日本人用のトイレに紙が無くて、メンテの人間に「ロールペーパー大至急!!」とお願いしたことがあります。かなりやばい状態でした。
トイレメンテのインド人も走って取りに行ってくれたのですが、持ってきたのが何故かFAXのロール紙でした・・・。トイレで紙を使わないインド人には私のその時の危機が正確に伝わらなかったのだと思います。

 唯一良いことといえば、私は日本にいるときは本当に朝が苦手でしたが、嫌でも6時頃には暑くて目が覚めます。
おかげで、遅刻の常習犯だった日本での生活とは違い、規則正しい生活をしています。

 そんな、日本人にとっては限界ぎりぎりの生活をしていますが、住居はそれなりのものを会社から用意してもらっています。

 停電はありますが、日本では住めないような大きな平屋に住んでいるんです。
部屋は、でかいリビングルームにメインベッドルーム、ゲストベッドルーム、キッチン、勉強部屋(という名前の物置)の5部屋で、メインにはバスタブ、ゲストにはシャワー室。200uは軽くあります。一人では広すぎます。
朝なんか、ムダな動きが多すぎて時間掛かってるんです。

 ただ、仕事は一応マジメにやってくれますね。一番ビックリするのは、エアコンや家の電気系統の修理屋を呼ぶと、いつもドライバー1本と針金しか持ってこないんです。プロゴルファー猿みたいな感じです。オマケに裸足。家に入れる前にはまず足を拭かせます。しかし、何とか一応は直してくれるので感心してます。

チェンナイには、約100人の日本人が住んでいます。私の家はその日本人の家の中でも思いっきり最北限に位置しており、一番近い日本人の家まで車で12分くらいかかります。(ちなみにその人は、もう一人のうちの会社の出向者です。)
 
家の自慢は2つ。まずはメイドさん。メイド歴30年。気合が違います。いつもピカピカの家には本当に満足しています。アイロンも大好き。パンツにもアイロンです。
一番感心するのは、ゴキブリホイホイにかかったゴキブリもしっかりそれだけ捨ててくれます。足だけが数本ホイホイに残っていました。
 でもホイホイの屋根の組み立て方がわからないらしくて、いつも屋根が開いています。ちょっと抜けているところが非常にインドっぽくてたまりません。
それで、月、水、金と働いてたったの月2500円。しかも片道2時間かけてバスで来ています。

 私の町には、日本人はおろか外国人もほとんど住んでいませんし、日本人会からは私の家を「日本人会の家マップ」に入れると全体の縮尺を小さくしなければならないと苦情も出ているようです。
他の日本人会の人の家の状況を聞くと、ここまで電気や水道状態がひどい家もあまりないようですので、そのうちに街中のジェネレーター付マンションに引越しをしようと思っています。その代償として通勤時間が一時間半になってしまいますが・・・

 さて、来月は
  「インド人ってどんな人?」
           でいこうと思います。
↑「我が家」 
  門のところにいるのは、私じゃなくてセキュリティのおじさん。一人では広すぎます!?
↑「お隣さん
  知らないうちにできていました。この家に多分3人と犬7匹くらいは住んでいます。我が家から勝手に電気引いています・・・