高33回 鈴木省二
伊豆市民オペラ協会の「オペラ坦庵熱き心の火」は今回の三島での公演で5ステージとなりま
した。2000年に「オペラ頼朝」を上演していますので、私は伊豆市民オペラ協会で4年間活
動しています。その以前より「Theatre 万華鏡」で演劇をやっていましたので、声の大きさと、
ステージ度胸で参加することになりました。
稽古に入りましたが、歌を苦手とする私は(カラオケは嫌いではないが)「オペラ」はやはり
歌で、お客さんは合唱の美しさ、ソリストの声に感激するのだろうという思いと、「演劇」のよ
うに「江川太郎左衛門」の生涯をみたいのではという思いが交錯していました。声の出し方や顔
の向け方、悲しみや怒りを朗々と歌うことなど苦労しました。結局、譜面通りには歌えず雰囲気
でOKという部分もありました。歌の表現はソリストに任せることにして、私は台詞や演技を楽し
みました。合唱を20年間やってきた方も演技は初めてという人ばかりで戸惑っていましたが、
「パン」や「黒船」の集団演技などは稽古を重ねるごとにみんな上手になりました。演じること
に快感を得たようで、「イギリスの紳士の淑女」「坦庵と柔」のシーンは自分達で演技をつける
ようになってきました。「老中」(3人あわせて200歳以上)のシーンは演出の小野さんも、
毎回違う演技に笑い転げていました。
元来、表現活動は自己満足のところがありますので、オペラを創ったということ、また、上演
したということについては関わったすべての方とお客さんに感謝ずるばかりです。そのことは書
き表せませんので、自己満足の部分(他のオペラ協会の会員の気持ちも代弁して)を思い出すま
まにあげてみます。
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