伊豆の活性化を目指して
 「少林少女」完成試写会


4月4日(金)韮山時代劇場大ホールで、亀山千広(高27 フジテレビ執行取締役常務映画事業局長) 制作少林少女(4月26日公開 主演 柴咲コウ)の試写会が行われました。メインロケ地が伊豆だったということもあり、主催はフィルム・コミッション伊豆(高25 内田隆久 会長) 協賛 伊豆の国市「少林少女」制作委員会という とても温かなイベントでした。同窓会では 開催前に亀山さんの囲み取材に参加させて頂きましたので、その時のインタビューやイベントの様子、思いがけない同窓生のコメントなどをUPさせて頂きました。どうぞお楽しみ下さい。



試写会後のトークショー 写真提供 FC伊豆

伊豆撮影された動機は? ロケ地マップこちら

(亀山さん)まず、アジアを中心にできればヨーロッパもマーケットとして狙っていたので、日本を代表する富士山の見える場所ということで選んだ。『少林少女』の前に本広監督と組んだ『UDON』が監督の地元香川で撮影したんで、次は僕の地元でと冗談で言ったりはしてたんだけど、伊豆のフィルム・コミッション(※1)のみなさんが本当にいい場所を探してきてくれて、僕も知らないこんな場所があるんだって発見があるし、海があって山があって、川があって、東京から新幹線で一時間ちょっとで来れちゃう地の利もあるし、実は他の作品でもけっこう伊豆には来てるんです(山のあなた』 主演 草なぎ剛 etc)地元のみなさんフィルムコミッションに対して協力体制ができているので撮りやすくてありがたいですね。
だからと言って、「This is IZU です」って風景ではないですけどね。

主人公 桜沢凛(柴咲コウ)が 原木駅に降り立つシーンで 「修善寺」行きの青い車両はバッチリ映っていますし、国内や世界の多くの方々が映画を見て、富士山のきれいな伊豆に来て下さると嬉しいです。
実は伊豆から富士山が見えることを知らない方もけっこういるみたいですし、先日は伊豆から新宿までの直通バスの中で「富士山、フシシャン」と言いながらずっとビデオを回している中国人団体客の方を見かけました。


撮影って本当に地元にご迷惑かけるんですけど、必ずいい形で画面に出てきますから、今後もご協力をお願いしたいです。
映画の音声は全てアフレコ(撮影後に音声を入れること スカイウォーカーサウンド制作)なんですが、あの伊豆箱根鉄道の音は、実はシカゴの地下鉄の音なんです。

少林少女』誕生のいきさつは?

3年半前に今回エグゼクティブプロデューサーを務めるチャウ・シンチー(『少林サッカー』監督 脚本 主演)が来日した際、意気投合して いつか一緒に映画を作ろうということになり、元々は僕がプロデュースして、彼が監督すればいいねみたいな話だったんだけど、すでに彼は香港での記録をバンバン塗り替え、ハリウッドからもお誘いが来る国際的な監督になっていたので、『少林サッカー』をインスパイアした日本に女の子が少林拳を広めるという日本オリジナルの作品を作ろうということになって、一番信頼のおける本広監督に興味あるか?と声をかけた。

映画のコンセプトは?

女の子カッコよく元気がよく強い ヒロインムービーを作りたかった。『踊る大捜査線』のすみれチャン(深津絵里)みたいなタイプが主人公になる映画ってないかなぁと思っていて、アクションは次からきたこと。

女優 柴咲コウ

恋愛映画で女優さんがヒロインになれるのは 美しいし当たり前で、特に柴咲コウさんは『世界の中心で、愛をさけぶ』で一気にブレイクしてるし、とはいえ、アクションを真剣にやるとなると普通の女優さんはスケジュールもあるし難しいだろうなと思いながら、当時『県庁の星』を撮影していたコウちゃんに こんなのあるけど「興味ある?」と聞いてみたら、二つ返事で、
「恋愛のヒロインだったら自分が女優として輝いていたらいくつになっても話は来ると思うけれども、身体を使うアクションは年齢が限られてしまうから一回挑戦してみたい。どうすればいいんですか?」という答えが返ってきた。
それから1年半、基礎からの訓練が始まった。半年くらい経ってビデオを見せてもらったら、ものすごい体が固かった彼女が見違えるほど足が上がるようになっていて、どんどん身体がしなやかになっていくのを見て、僕らも本気にならないといけないと思った。

なぜラクロスを?


最初少林拳をやると痩せますみたいなフィットネスも考えたんだけど、僕らの考えていたトップの女優さんがやってくれることになったので、彼女にどんな格好をさせたらかわいだろうなと考えて、単にコウちゃんにミニスカートをはかせたくて(笑)ラクロスがいいんじゃないかと冗談で言ったら、チャウ・シンチーが「ミニスカートならチアリーディングもかなり身体を使いますよ」と言ってきたんだけど、中国拳法の中に棒術という棒を使った武道があるので、それをラクロスのクロスにかけた。それに少林拳自分と対話する武術に対してラクロスチームワークを大切にするスポーツということで、団体組織を重んじる日本という国とのギャップも描けるだろうと思った。
コウちゃんもコスプレ好きなんで大好きですって言ってくれたし、個人的には後半のユニフォームよりも、中盤で着てるチェックのスカートとポロシャツの方がかわいくて好きなんですけど(笑)

女性の私にも、ラクロスと言ってまず思い浮かぶのがかわいいユニフォームです(^^)
では、このカンフーアクション映画を通して一番伝えたかったものは?

強くなるということは相手を倒すため強くなるんじゃなくて、自分を鍛えるために強くなる。少林拳の教えというのは戦わないのが少林拳だとチャウ・シンチーからきっちり教えられていたので、それでも戦う為にはどういう理由があるのかということで、自分の大切な人を守る為に封印を解くということにしなければダメだろうな、それでも「相手を打ちのめすのか どこか包み込むようにしなきゃならないのか」 がシンプルなテーマ。人間の尊厳をおびやかされたら戦わざるをえないけれど、その先にあるのは戦い続けることではないはず、ということを子供たちにわかりやすく教えたい。

ところで、『踊る大捜査線 MOVIE3』も始動されるそうですが、和久さん役のいかりや長介さんが亡くなられた後の講演で、封印するようなことをおっしゃいましたが、それでもGOサインを出された一番のきっかけは?

お台場にリアルな東京湾岸署ができたっていうのが一番大きいですね。
昨年の10周年企画の視聴率もよくって、まだファンの方がこんなにいるんだとすごく勇気づけられましたし。
最近会社にもリアルに「湾岸署の○○さんからお電話で」すってかかってきて、おかしくてね〜


最後に同窓生への一言をお伺いすると力強く
「ガンバってます!みなさんもガンバりましょう」と一言。

そして、取材に同席して下さっていたフジテレビ渡辺和洋アナウンサー(日大三島高出身のイケメンアナ)に、映画はご覧になりましたか?とお訊ねすると

(渡辺)「はい」

(亀山)「出てますから 三島出身ということで」
「それだけで出させて頂いてるんです。じゃなかったら今ここにいないです」

そうだったんですか〜?大変失礼しました。
と言うことで、素人インタビューが何とか終わり、いよいよステージでは、 FC伊豆の内田隆久会長(高25)による試写会開催当日を迎えられたお礼の言葉の後、亀山さんと渡辺アナの舞台挨拶。

なぜ自分がここにいるのかを流暢に話す渡辺アナに
「噛まないカズを見るのは久しぶりでございます。ちゃんと原稿がなければしゃべれるんじゃないか・・・と安心致しました」
とツッコム亀山さん

「カズのためにわざわざ東宝のスタジオにセットを作りました! なんと時間のかかったことか。結構重要なカギを握ってるんです。」
「どの場面でどれだけの時間出ているのか、見つけられたらきっと明日いいことありますよ」
の言葉に会場の期待感は高まって試写会が始まりました。

もちろん見逃すはずのない登場シーンでした(^^)

試写会後には、トークショーが行われ、ゲストは亀山さんと渡辺アナ。司会はFC伊豆から太田綾花(高53 映画「花のこえ」監督)さん。そして現役の韮高生 武田さんと日大三島の戸村さんのお二人がステージに上り、亀山さんの高校時代の部活(バスケ)や恋愛について質問しました。
「同級生がいたらあいつだろう?って分かるからイヤなんだけど」と言いながら熱く語って下さり、会場にいた後輩の韮高生に
いい恋愛をいっぱいして下さい、女性はきれいになるから。男も恋愛して いっぱいフラれてくれ!映画にもあるように痛みを知ってる人間は強くなれるから」と声をかけていました。

その他にも
「サンフランシスコのジョージルーカス率いるスタジオでALLアフレコしたことやCGをかなり駆使していること。アニメの実写化ができることを技術力で示したかった。ほとんどの場面が合成なんで女優さんは創造力がないとできない。この映画の全ては柴咲コウさんです」という映画のみどころ何をオマージュして作ったかという制作秘話などなど 話は尽きず、『踊る大捜査線3』に関しても
君塚さん(脚本)と本広君と織田君とでやろうということで、まだストーリーは決まっていないけれども、一応青島君(織田裕二)も40才位なんで、係長でスタートしようかな。新しい湾岸署になってるんで青島君はその引越班になっていてそこで何かが起こるってイメージだけはあります。というHOTな情報を頂きました。
少林少女』の中にもいくつか『踊る〜』がリンクされてました!
その他、渡辺アナの採用試験管が亀山さんだった話や昨年の結婚式でのピアノのひき語りの話題など、本当に楽しい時間が過ぎて行きました。

そして、伊豆の国市 望月良和市長(高12)の花束贈呈の後
「撮影が終わって亀山さんと対談させて頂いた際、時代劇場での試写会のお願いもしまして、この少林少女を使わせて頂きながら伊豆の国市を売り込むことをお願いしました。そんなことから伊豆の国市の中華料理のパンフロケ地マップも作りました。これからも伊豆はひとつということでPRしていきたいと思います。みなさんもお友達を誘ってもう一度見に行って下さい」という挨拶で幕が閉じました。


会場で亀山さんと同期のSBSアナウンサー伊藤圭介(高27)さんをお見かけしたので、
亀山さんとお会いしましたか?とメールさせて頂くと

(伊藤さん)すべて終わってから数分でしたが会いました。SBSも『ぼくらと駐在さんの700日戦争』という映画 に出資していて、今後も放送外収入を得る一つの方策として継続していきます。その担当の部長で我 々の同期では1番に局次長になったのが、やはり韮高の同級生村木信男(高27)です。金曜日はその村木と一 緒に行きました。村木は月に一回東京に出張しているので次の出張以降タイミングがあえば、映画業 界の現状を聞かせてもらうことになりました。

まあフジテレビがやっていることと規模が違いますが 。俺は久しぶりに亀山に会いたかっただけです。本当はもっとゆっくり話したかったけど、映画の趣味というか楽しみ方に似通ったところがすごく多いのです。もちろん亀山は専門家でこちらは素人な のですが。
交渉人真下正義』でクライマックスがコンサート会場でシンバルを鳴らす瞬間が暗殺の タイミングというのは1950年代のヒッチコックの『知りすぎていた男』と同じで、映画を見ながらか なり早い段階で気付いたのですが、亀山の映画は映画好きが大勢集まって楽しんで作っている感じが好きです。「交渉人…」も自分と同類の存在を確認しながら嬉しくなってしまった映画でした。

取材をご一緒させて頂いたアットエスさんの
「最近各TV局が映画の制作に携わることが多いけれども」という質問に
(亀山)CM収入が横這いの中、スキルを持ったTV局が映画を作るのはいいことだと思いますよ。
映画をPRするメディアも持っているし。それで(劇場に足を運ぶ)お客さんが増えてくれると信じてるし。そうすれば産業として面白くなって、もっと面白い映画が世の中に出てくると思うし。
との答えが返ってきました。亀山さんは
TVは家族映画は恋人」と位置づけて、恋人は会いに行かなければならないけれど、TVは家に帰ってくればいつでも家族のように迎えてくれるってスタンスで作ればいいやと思ってる」そうです。

(伊藤さん)金曜日はあのあと亀山は帰りましたが、やっぱり同級生の伊豆の国市文化振興課長の久保田昭寛(高27)と村木と これまた同級生の浜村真由美がやっているサンバレー富士見の近くにある「はまむら」で飲んで修善寺の実家に泊まりました。

少林少女」に何度も出てくる県立大学から歩いて数分の所に20年以上住 み、毎日大学の前の道路を通勤しているんでうちの庭で作られた映画という感じです。長倉さんも出 ちゃうし、うちの子供たちがかつて所属し私が育成会長をやっていた有度二サッカースポーツ少年団 も出演してました。去年ロケやってたのは知ってたけどふるさとと現在の住家、さらに藤枝のサッカ ー場など私の職場ですから、縁のありすぎる映画です。

PS:亀山の恋愛話、俺はすぐ前の席で授業中いつも聞かされてた。いいときもうまくいってないときも。 彼女は俺のたしか三つ前の席だった。

と、いつか「亀山さん伊藤さんトークショー」も聞いてみたいような楽しいメールが届きました。
当日取材でいらしていたボイス・キュー 山口真直さん(高42)にも感想を伺うと

会場での試写会後の亀山さんのトークがとても印象的でした。「オレンジロード」 (韮山駅までのカップル専用ロード)のエピソードなど、韮高生ならうんうんと うなずいてしまうような話題がたくさん出てきてなつかしかったです。 高校時代のたくさんの思い出を忘れずに、時代の最先端で活躍されている 亀山さんを後輩として誇りに思います。
尚、インタビューの模様は4月12日(土)10時05分より FM77.7 ボイスキューで放送させていただきます。

あのたんぼ道にネーミングしてしまうなんて さすがプロデューサーですね(笑)
今回会場に韮高生が30人ほど来てくれていましたが、学校側に依頼の段取りをしてくれたのは、PTA会長 森一浩さん(高30)です。地元の発展の為にご活躍されている多くの同窓生がいることを改めて感じた一日でした。

     1) フィルム・コミッション伊豆は、平成13年にNPO伊豆の活動部会として発足
           伊豆でのロケーション撮影を支援するNPO 会長 内田隆久さん(高25) 
   
           その統括ディレクターとして活躍されてるのが板垣敏弘さん(三島南高出身)
           「少林少女も、内田は当初から着々とプラスアルファー(伊豆の活性化)の戦略
           を立てていたんです」と語る。実際にロケ地マップを手がけたり、公開記念として
           伊豆の国チャーハン(血糖値の上昇を抑えるイヌリンが主成分のキクイモ
           使用)の企画を商工会に持ち込んでいる。
           今回の試写会の準備はもとより、当日 多くのボランティアスタッフをまとめていた
           のも板垣さんだ。
           NHK大河ドラマ「篤姫」の撮影が江川邸で行われるなど、実績を積み重ねている
           FC伊豆だが、本業のシステムエンジニアをやりながら、高い感性で まさにかゆい
           ところに手が届く支援をされてきた板垣さんの存在なしには語れないだろう。
           今後も より多くの方のフィルム・コミッション伊豆への協力を期待したい。


                          龍城のWA!