鯉のバカンス(瀧川鯉之助公式サイト

どうぞごひいきに (菅沼忠行)
   龍城のWA 


 あけましておめでとうございます!

今月から落語について気まぐれに連載させていただきます、落語家の瀧川鯉之助です。

落語といいますと昨今やたらブームだといわれていますが実際どうなんでしょう?
中には、落語なんてモンは昔からずっとあるんだから今更ブームなんて言わないよ、なんてな人もいます。
しかしここ2、3年の間に落語を聞くお客さんは確実に増えています。
ドラマ「タイガー&ドラゴン」や映画「しゃべれどもしゃべれども」をはじめ、その流れに反応したマスコミや各メディアによって、世間からイマイチ忘れられていた落語が再び身近に感じられるようになり、また、なんじゃそれ!?という反応をしていた若者にも知られるようになったのです。
だって私が大学生のころなんて女の子と寄席に行くと失笑を買う話題にしかならなかったのに、今なんか若者の粋なデートコースになってるんですよ!
寄席に行くというのがデートに誘う口実になるくらいですから。
なんかずるいなあ…。
でも寄席未経験の人にとっては“なんとなく敷居が高くて入りづらい”という、古典芸能というのはどうやらそんなイメージがあるようです。
敷居???
ないないっ!
お金払って座ってるだけ、映画館と同じです。
私は歌舞伎座なんかもTシャツ短パンサンダル履きで気軽に行きますぜ。
それでもやはり緊張してしまうというアナタのために、そんなの分かってるというアニキには多少マニアックに、落語の世界を紹介させていただきます。

 というわけで、東京は新宿の末広亭にやってきました。

今は正月興行の真っ最中です。
寄席の興行は10日ごとになってまして、1ヶ月のうちそれぞれ上席、中席、下席と呼ばれています。
その中でも特別に一月の上席、中席はそれぞれ“正月初席”、“正月二之席”といいます。
寄席の顔見世興行になっていて豪華顔ぶれで出演者も多くなっています。
この日はその正月初席の三日目。
初笑いに来たお客様でごった返しています。
始まる前から約300人もの行列、末広亭のあるブロックを一周してしまうんではないかと思うほどの勢いでした。
三が日でこんなに人が並ぶのは初詣と福袋と寄席ぐらいのもんでしょう。
そういえば元旦の夜に渋谷に行ったら、109の前に翌日の福袋目当てに並んでるギャルが10人ほどいました。
この寒いのに元旦から野宿とは恐れ入ります…。
ま、寄席のほうも普段はそのままは入れますのでご心配なく。

さて、これから寄席の中に踏み込んでみようと思いましたらちょうど字数制限いっぱいでございます。
このつづきはまた次回。        
                    2007/01/10 
                 瀧川鯉之助(菅沼忠行・高42)

鯉之助の・・・通になれる?気まぐれ落語講座  其の壱
  
寄席に行ってみよう! の巻 
       
「めくり (みだし)」
 出演中の芸人の名前がわかるように高座に出す。普通は紙をめくっていくが、これは木札。
末広亭の高座
もちろんマイクや座布団は寄席の備品です。